サイゾーpremium  > 特集  > ジャニーズ  > 【大畠大輝】衣装のレガシー
第1特集
衣装のレガシー

百花繚乱の華美な世界観も……固定化しない「伝統の継承」

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――今年、60年以上の歴史を持つアイドル帝国「ジャニーズ事務所」の名前が消えた。だが、ファンに支持され、男性アイドル界を牽引してきた唯一無二の「ジャニーズらしさ」は、エンタメ界に残すべき遺産のはずだ。今こそ「ジャニーズが残したもの」「今後も旧ジャニーズタレントたちに継承していってもらいたいもの」を語るときだろう。そこで、各分野の識者たちに「受け継がれるべきジャニーズのレガシー」を聞いた。ドラマ、音楽、ダンス、衣装…どこに「ジャニーズらしさ」を感じるかは十人十色。あなたの心に「ジャニーズが残してくれたもの」とは?

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ジャニーズといえば、キラキラ、フリフリのきらびやかな衣装の印象が強いけど、実はそんなに単純なものではないみたい。実際に衣装を手がけたことがあるデザイナーに聞いてみると……やっぱり奥が深かったよ!


大畠大輝(おおはた・だいき)
衣装デザイナー。ファッション専門学校・東京モード学園を卒業後、AKB48、ジャニーズなどの衣装を中心に制作する衣装会社でパタンナーを経験し、その後、フリーランスに。「東京2020パラリンピック」オープニングセレモニーのフィナーレセクションの衣装制作を担当。現在は、俳優、ダンサー、アイドル用など、さまざまなジャンルの衣装を手がけている。

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独特な装飾のタキシードやビビッドなロングコートから、カジュアルなシャツまで…ライブを見ると、そのバリエーションの豊富さに驚かされる。

“ジャニーズらしい衣装”とは何か――その定義を明確にすることはとても難しいんです。というのも、ジャニーズアイドルは、グループの色や各所属レコード会社さんの意向によって、衣装の印象が違う。さらに言えば、同じグループであっても曲によってガラッとイメージが変わります。キラキラした王子様系であったり、カジュアルなものから、シンプルな衣装まで振れ幅が激しく、ミュージックビデオや音楽番組、コンサートなど、同じ曲を披露する場でもその時々で身に着ける衣装が変化するケースもある。

対して、“らしさ”がはっきりしているグループを挙げるとすれば、乃木坂46さんは、ひざ丈のスカートで制服っぽいコンセプトの衣装が多く、SEKAI NO OWARIさんはファンタジック、Perfumeさんはモードでスタイリッシュだったり、独自の統一された世界観があります。しかし、ジャニーズアイドルは、そのシチュエーションによって、衣装のコンセプトも変えているような印象を受けます。

僕が思うジャニーズらしい衣装とは、ひと言で言うと“華美”なもの。ですが、他のアーティストのように、統一された“らしさ”を見つけにくい以上、衣装デザインを請け負う際、「ジャニーズっぽい感じ」もしくは「ジャニーズっぽくない感じ」などと依頼されたら、その方が何を〝ジャニーズらしい〟と捉えているのかしっかり把握するため、参考写真をいただくようにしています。ジャニーズらしい衣装の例としては、王子様風の白いタキシードに装飾がたくさんついた衣装などを見せられるケースが多いです。

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