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第1特集
テレビドラマ主題歌の“最尖端”【1】

大豆田とわ子は「脱タイアップの象徴」テレビドラマ主題歌の“最尖端”

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――日本において、ドラマの歴史はヒット曲の歴史でもある。かつては月9の主題歌に採用されれば必ず売れるという時代があり、ドラマと音楽のタイアップはビジネスとして、長年にわたり蔓延ってきた。しかし、国民的なヒット曲が生まれなくなった今、ドラマにとってタイアップを優先した主題歌は、もはや“邪魔なもの”となりつつあるのだろうか。

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関西テレビ『大豆田とわ子と三人の元夫』公式HPより

2021年4月期のドラマで、一番のインパクトを残した作品といえば、『大豆田とわ子と三人の元夫』(関西テレビ/フジテレビ系)で間違いないだろう。視聴率の低さだけを指摘するようなネットのコタツ記事が散見された一方で、SNSでは関連ワードがトレンド入りし、映画やドラマのレビューサービス「Filmarks」のデータに基づいた「2021年春ドラマ 満足度ランキング」でも堂々の1位。坂元裕二の緻密な脚本、主演の松たか子をはじめとする俳優たちの演技、細かなギミックやセリフの一つ一つが注目され、さまざまな角度から言及されていた。

その中でもドラマが終わった今尚、ファンの心をつかんでいるのが、エンディングに流された主題歌「Presence」(STUTS & 松たか子 with 3exes)だ。

第1話ではメインボーカルの松たか子と、ラッパーのKID FRESINOが登場し、元夫役の3人、松田龍平、東京03の角田晃広、岡田将生がコーラスを担当。それだけでも、いわゆる〝出演者が歌う主題歌〟として話題にはなっていたが、2話目にして「初回と曲が違う」と気づいた視聴者の驚きの声が拡散された。

作中でフォーカスされた岡田将生がラップをして、さらにラッパーもBIMに。歌詞も本編にリンクするように形を変えるというサプライズが用意されていたのだ。以降も角田や松田がそれぞれラップしたり、ラッパーもNENE、Daichi Yamamoto、T-Pablowとバトンをつなぎ、5つの異なる主題歌が披露された。

ミュージシャンとして活動しながら、『失恋ショコラティエ 』(フジテレビ、2014)や『トドメの接吻』(日本テレビ、2018)などの劇伴も手がけているKen Arai氏は、火曜の夜9時という放送時間が、企画の物珍しさをさらに際立たせたと語る。

「楽曲に関しては、定番のコード進行でシンプルに素敵な空気感に仕上げていて、音楽としてもとても素晴らしいと思いました。
 深夜枠のドラマならば音楽で話題をつくろうとする試みは珍しくないですけど、プライムタイムのドラマになると、“ジャンル的に狭い”音楽は取り入れにくいんですよね。だから世界に比べて、日本ではまだまだ一般に浸透していないヒップホップを使って、ドラマのオリジナル楽曲を作ったという試みが、視聴者にキャッチーだったんだと思います。

そうした企画からもおもしろいドラマをつくろうとする制作スタッフさんの想いが伝わってきますよね。

現在、ドラマの制作費がどんどん削られている中で、どの業界もお金をかけずにどれだけ人目を引く企画をつくれるかが問われてきていると思うんですが、出演者やアーティストも楽しんで参加して遊んでいる感じが、SNS拡散などにも一役買ったのではないでしょうか。これが、プライムタイムのドラマだと、番組的に数字や話題性などだけでなく、キャスティングなどの裏側も含めて背負ってるものが多すぎてプレッシャーも強いし、できないことも多かったりするので簡単ではないことだと思います」

大豆田が画期的だった脱タイアップ


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