サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 日本とアメリカの大麻ビジネス【1】/【日米マリファナ】最新(裏)事情

――大麻は着火して煙を吸うイメージがあるだろうが、電子たばこで気化して摂取するものが日本の一部で浸透しつつある。一方、合法化が進むアメリカでは、密造大麻、擬似大麻が闇市場で出回っている――。一体、何が起きているのか? ベストセラー本『ルポ 川崎』(小社刊)の著者・磯部涼氏が、日米の大麻ビジネスの最前線を追う。

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(写真/Getty Images)

 日本における新型コロナウイルス禍は感染者数という観点からすれば比較的軽度で済んだように思えるが、一方で景気は先行きが不透明で、またそれはアンダーグラウンド・ビジネスにも影響を与えている。都内で活動するとあるドラッグ・ディーラーによると、コロナ禍の中で“フラワー”の値段が高騰しているという。“フラワー”とは文字通りマリファナ(大麻、カンナビス)の花穂の部分で、“バッズ”とも呼ばれる。この部分には人をハイにさせるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が集中しており、乾燥させて火を付け、煙を吸引する摂取方法が一般的だ。

「都内は今すごく“乾いて”(品薄の意味)いて。良いものだとテン5(0・5グラム)で4500円。以前の倍近くになっていますね」

 ディーラーは言う。その要因はもちろんコロナ禍によって、海外からの入荷に制限がかかってしまったことだ。近年は日本におけるマリファナの栽培技術が進歩して、インポート(輸入もの)とも遜色のないグロウ(日本で育てたもの)が出回っている。それでも好事家は、栽培が合法の州も多いため、さらに進歩が著しいアメリカ産のものを欲しがるのだそうだ。そして品薄のフラワーに代わって目玉商品となったのが、“THCリキッド”だという。

「フラワーは売って商売をするとなると、かなりの量を輸入しなくてはいけないんですが、リキッドは濃縮された液体なのでかさばらない。だからコロナ禍でもなんとか日本に入れられるんです」

 アメリカでは主にハッシュ・オイルと呼ばれるこの液体は、まず特別な装置を使ってカンナビスからTHCを含有した油分を抽出した後、不純物を丁寧に取り除いて作られる。フラワーは通常だとTHC含有率が15~20%程度、グレードの高い品種で35%程度になるというが、ハッシュ・オイルならば100%に近い商品を作り出すことが可能だ。それをヴェポライザー(電子たばこ)のアトマイザー(交換容器)に入れ、加熱して蒸気を吸う。特に若い世代で人気が高まったのは、THCが高濃度であるだけでなく、健康的だからである。フラワーを砕いて紙巻きにするジョイントのような摂取方法とは違って、燃焼させないため発がん性物質が発生しないのだ。

 ラッパーの金の使い道を追うNetflixの番組『ゴージャス・ショッピング:ロサンゼルス』では、アトランタのラッパー=ワカ・フロッカ・フレイムが、ハッシュ・オイル・ビジネスに投資をするシーンがある。彼はTHCの含有率が95%のオイルをヴェポライザーで味見しながら、「装置は設置費用も込みで16万9000ドル(約1700万円)」「アトマイザーをひとつ60ドルで売ったとして、利益は600万~700万ドル(約6億~7億円)」という説明を受け、契約書にサインをする。アメリカではハッシュ・オイルは大きなビジネスになっている。

キャバ嬢の誕生日にTHCリキッドを贈る

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