サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 氷川きよしに何が起きたのか?【3】/【湯山玲子】ミサンドリー時代に合った戦略
第1特集
氷川きよしに何が起きたのか?【3】

【湯山玲子/視点2:男性論】ミサンドリー時代に合った男と女を行き来する戦略

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――“演歌界のプリンス”と呼ばれてきた歌手の氷川きよし。このところ、“変身”が見られるとして話題となっている。また、週刊誌で“生きづらさ”を語ることもあった。しかし、これらがいわゆる“カミングアウト”に当たるとは言いづらい。一体、何が起きているのか――。フワッとした報道ばかりの状況下、本誌は徹底的に論じる!

湯山玲子(著述家・プロデューサー)

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ゆやま・れいこ
映画、音楽、食、ファッション、クラブ・カルチャーなど文化全般を横断しながら執筆を展開。『ごごナマ』(NHK)をはじめ、テレビ番組にコメンテーターとしても出演している。著書に『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『男をこじらせる前に』(角川文庫)など多数ある。

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三浦春馬がドラァグクイーンを演じ、2016年に日本で初演されたブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』。「Astage」のYoutubeチャンネルより。

 まず、セクシュアリティについて明確に発言しない理由は、今までのファンを裏切らないため。主なファン層である中高年女性たちの「演歌界のプリンスであってほしい」「きよし君にお嫁さんを見つけてあげたい」という保守的な応援心理をよく知っているからです。

 明言しなければ「そうかも?」という疑いは残りつつも、ギリギリのところで今までと変わらないファンの気持ちを維持できる。あえて、カミングアウト発言して得られる利益と発言しないで得られる利益のどちらを取るかといわれたら、日本の芸能界の空気でいえば前者はリスクが高いということでしょう。特に氷川さんは、過去に元マネージャー男性に暴力やセクハラで訴えられ(2014年に示談成立)、少々ダークなイメージもあるので、そういう判断になると思います。

 セクシュアリティは別として外見だけでいえば、氷川さんの“変身”に関しては女性はウェルカムでしょうね。芸事においての男性の女装は、歌舞伎はもとより、『キンキーブーツ』のようなミュージカル、ドラァグクイーンに至るまで女性は大好き。氷川さんがドレスを着て美しく華やかに着飾ることは、前述した演歌オールドファンの女性たちにしても、美輪明宏や美川憲一らのビッグネームの既視感もあり、好意的に受け入れられるでしょうね。

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