サイゾーpremium  > 連載  > 林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」  > 林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」/【BOSS THE MC】20年間、〈トーク〉をやめなかった男
連載
『林賢一の「ライク・ア・トーキングストーン」』【31】

ラップとトーク、縛られることのない「魂と魂の会話」――【BOSS THE MC】20年間、〈トーク〉をやめなかった男

+お気に入りに追加

――元放送作家で、現在は脚本家として心機一転活動する林賢一が、生のトーク現場に裸一貫突入! 事務所の大看板・古舘伊知郎を始めとした先達たちが繰り広げるトークライブをレポートする。

『THA BLUE HERB 結成20周年ライブ』

1712_poster_250.jpg

人物:BOSS THE MC 日時場所:2017年10月29日 @日比谷野外大音楽堂
1997年に結成されたヒップホップグループTHA BLUE HERBの20周年記念ライブ。さんピンCAMPが開催された伝説の日比谷野音にて、BOSSが発したトークとは!?


 ヒップホップにおけるトークを考えるのは厄介だ。言うまでもなく、ラップという存在自体が「口語に近い抑揚をつけて発声する唱法」だからだ。つまり、ラップそのものがトークであるとも言える。筆者はヒップホップの専門家ではないため、いわゆるリズムに乗せたリリックについては本稿で触れない。あくまでもTHA BLUE HERBのMCであるBOSS THE MCのトークについて焦点を合わせたい。

 1996年、日比谷野外大音楽堂で伝説のヒップホップイベント「さんピンCAMP」が開催された。この年、BOSSは音楽活動を始めていたが、THA BLUE HERBはまだ結成されていなかった。日本のヒップホップの聖地となった日比谷野音で、THA BLUE HERBが20周年記念ライブを行う。それを聞いた瞬間、「BOSSはどんなトークをするんだろう?」と胸が躍った。トーク好きな彼が、さんピンCAMPについて触れないわけがないからだ。

「ド派手に野音ごと、かっさらっちまおうぜ!」

 台風のため豪雨となった会場でそう高らかに宣言した後、BOSSはリリックを紡いでいった。ライブ前半のトークはさほど多くなかった。「野音だろうが関係ない、しょせんは1対1っしょ」「どっちみち開き直ってんだから、開き直ったほうが楽だぜ」など、曲の合間にさらっと話しはすれど、あくまでもラップに集中しているように見えた。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年5月号

新タブー大全'21

新タブー大全'21
    • 【森発言は女性差別?】高齢者座談会
    • 広がる【陰謀論とGAFA】の対応
    • 【Qアノン】の主張
    • ビジネス的な【福音派】の布教
    • 【ザ・ボーイズ】が描く福音派
    • 【反ワクチン運動】の潮流
    • 取り沙汰されてきた【ワクチン4種】
    • 【メガIT企業】が触れたタブー
    • 【民間PCR検査】の歪な構造
    • 【NHK】に問われる真価
    • 【テレ東】が身中に抱えた爆弾
    • 【キム・カーダシアン】の(危)人生
    • 【仰天修羅場】傑作5選
    • 月収12万でアイドルが【パパ活】
    • 【パパ活】の背景にある雇用問題
    • 金融の民主化【ロビンフッド】の闇

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る
    • 【小川淳也】政治とコロナと与野党を語る

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【朝日ななみ】新人役者は“嫌われるほど悪い役”を目指す!
    • 【はるかりまあこ】新風を巻き起こす三人官女のサウンド
    • 【SILENT KILLA JOINT & dhrma】気鋭ラッパーとビート職人
    • 【松居大悟】自身の舞台劇をどのように映画化したのか?
    • 【BOCCHI。】“おひとりさま。”にやさしい新人7人組

連載

    • 【都丸紗也華】ボブ、マジ楽なんです。
    • 【アレンジレシピ】の世界
    • 【愛】という名のもとに
    • なぜ【AI×倫理】が必要なのか
    • 【萱野稔人】人間の知性と言葉の関係
    • 【スポンサー】ありきの密な祭り
    • 【地球に優しい】企業が誕生
    • 【丸屋九兵衛】メーガン妃を語る
    • 【町山智浩】「ノマドランド」ノマドの希望と絶望
    • 【総務省スキャンダル】と政府の放送免許付与
    • 【般若】が語った適当論
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【田澤健一郎】“かなわぬ恋”に泣いた【ゲイのスプリンター】
    • 【笹 公人】「念力事報」呪われたオリンピック
    • 【澤田晃宏】鳥栖のベトナム人とネパール人
    • 【AmamiyaMaako】イメージは細かく具体的に!
    • 【稲田豊史】「大奥」SF大河が示した現実
    • 【辛酸なめ子】の「佳子様偏愛採取録」
    • 伝説のワイナリーの名を冠す【新文化発信地】
    • 【更科修一郎】幽霊、ラジオスターとイキリオタク。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』