サイゾーpremium  > 連載  > 稲田豊史の「オトメゴコロ乱読修行」  >  オトメゴコロ乱読修行【25】/【ドラえもん】の面倒くさい女子たち

――サブカルを中心に社会問題までを幅広く分析するライター・稲田豊史が、映画、小説、マンガ、アニメなどフィクションをテキストに、超絶難解な乙女心を分析。

【『ドラえもん』】ドラえもんに登場する女子は、誰も彼もめんどうくさい結局誰が正解なのか?の画像1
『ドラえもん (1)』(てんとう虫コミックス) 

 私事にて恐縮だが、『ドラえもん』及び藤子・F・不二雄作品が死ぬほど好きである。好きすぎて、先日著書まで出してしまった(記事下部参照)。というわけで今回は若干の番外編として、『ドラえもん』に登場する3人の女子――しずか、ジャイ子、ドラミ――を、女子特有の3方向の類型パーソナリティに見立ててみよう。

 1人目はしずか(源静香)だ。のび太の同級生で将来の結婚相手。無類の風呂好きヒロイン。いわゆる美少女枠である。ただ、しずかは「かわいい」だけで世を渡っており、ことさらそれ以外にはスペックも徳も高くない。バイオリンは下手だし、「委員長」になれるほどの優等生でもない。のび太がハブにされるスネ夫プレゼンツの別荘旅行にもちゃっかりついていくし、のび太がジャイアンとスネ夫にいじめられている際に沈黙を保つこともある。優等生の出木杉に気持ちがなびき、時折のび太に暴言を吐く。同性の友人も少ない。

 決定的なのは、そんなしずかが結婚相手としてのび太を選ぶということだ。クラスのアイドルだった美少女が、学校一の劣等生と結婚する不自然さ。推察するに、彼女の目的は圧倒的な優位性の確保だ。のび太と結婚すれば、のび太は一生、自分を崇めてくれる。感謝してくれる。「かわいい」しか能のない、ほかにさしたる長所のない自分だが、のび太を伴侶とすれば、死ぬまで夫に対して優位性を保てる。非の打ちどころがなく社会的価値の高い出木杉が相手では、これがかなわない。自己研鑽を続けないと、出木杉は自分に見向きもしてくれなくなるからだ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2026年8月号

世界を映す映画、映画が変える世界

世界を映す映画、映画が変える世界
    • アニメが映し出すハリウッド
    • 進化したホラー映画の新潮流
    • ドクター・ドゥームとは何者か
    • 伊藤万理華×ヨーロッパ企画
    • 「モテる映画」学
    • イラン映画の最尖端
    • 新しい時代劇の躍進
    • 倉田保昭、夢はまだ終わらない

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【大原かおり】“巨乳ブーム”の象徴が50歳で挑んだ新境地
    • 【一ノ瀬ワタル】角界から教育界へ転身「心の中の猿桜がまだ暴れたがっています」
    • 【SUMIDe】億バズするショートドラマの旗手、昼間はエリートビジネスマン!?
    • なぜエリートほど「ツッコまれたい」のか京都大学式「思考の主導権を取り戻す方法」
    • 止まったら死ぬ映画を止まらない女と観た映画『ロングウォーク』と歩き続けるウナギ・サヤカ
    • 産まないオンナ、産めないオトコの「声なき叫び」と「芸人の子育て哲学」紗倉まなケンドーコバヤシの「新・家族論」
    • 結婚、孤独、年齢への向き合い方─ アラフォー女性のリアルを熱演「松本まりか高橋メアリージュン」の本音
    • 黒い羽を隠した白猫「漫画家グラドル」穂波あみ
    • 〈Cosplay beauty Cyzo color〉天音ちか

連載

    • 【マルサの女】南みゆか
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • GROOVE SEQUENCE
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ