サイゾーpremium  > 特集2  > 【ビートきよし】が語る"引退"

 これまでの記事から語られてきた通り、同時代の流れの中に身を置くことこそ肝要であるがゆえに、芸人という職業は引退や休業が難しい。昭和の寄席で鍛えられ、80年代漫才ブームで世に出たツービートの片割れ・ビートきよし氏に、最近のテレビとお笑い業界事情、自分の“最後の仕事”について聞いた。

1608prof_beatkiyoshi_230.jpg
ビートきよし氏。(写真/北川泉)

 俺らの頃は、テレビに出るなんて、とんでもないことだったんだよ。雲の上よりさらに上、芸も運も実力も、すべてが揃ってようやく出られるかどうか。芸能界にはランクがしっかりあってさ、トップには銀幕スターがいて、次に歌い手さんとかいろいろ、一番下っ端がお笑い。その中でも、落語家さんや講談師が上にいて、その下が漫才師だから。それが今は、なんでもかんでもごちゃごちゃだよね。お笑いの人間が演技もキャスターもやっちゃうし、俳優やアナウンサーがバラエティにも出るし。

うちの相方だっていろいろやってるけど、あれは根底に芸があるからこそ、崩しても成立してるだけで。芸がないのに崩しちゃったら、それはただの破壊だよ。

 問題は、芸がないのにテレビに出て、飽きられちゃった後どうするか。一回でも味の濃い飯を食っちゃったら、薄い飯なんか食いたくなくなる。そうなると、普通の世界では生きられなくて、人を騙したり、盗んだりしちゃうでしょう。昔はヤクザが見せつけのために悪さをしたけど、今は一般の人が平気でそういうことをやっちゃう時代。俺らが修業したから偉いってことじゃなくて、そんな人生を歩んでほしくないっていうだけなんだよ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年3月号

欲望の美人学

欲望の美人学

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ
    • 乃木坂の太陽【斉藤優里】が登場!

インタビュー

連載

    • 【園都】サウナーなんです。
    • 【平嶋夏海】美尻アイドルの偏愛録
    • 【88rising】世界戦略の真実
    • 深キョン熱愛ショック!【恭子から俺は!!】
    • 世界中で議論される【AIと倫理】
    • 高須基仁/【エロ】の匂いを消すこの国に抗う
    • 映画【盆唄】に見る人々のたくましさ
    • 【ファーウェイ】創業者の素顔を追う
    • 【ブラック・クランズマン】に思うファンクとディスコの70年代
    • 町山智浩/【バイス】ブッシュを操る副大統領
    • 厚労省の【不正統計問題】と統計軽視の代償
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人/【嵐】の夜に
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 稲田豊史/希代のマーケター【西野カナ】
    • 【アッシュ×スラッシュ】実弟が聞くキワどい話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ニコタマに地ビールを!【ママ友】たちの挑戦
    • 伊藤文學/【新世代ゲイ雑誌】の価値観
    • 更科修一郎/幽霊、【サイコパス】に救われたい人々。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』