――マンガ家服部昇大先生が紐解く流行をものの3分で徹底解明
女児向けアニメが〈戦国時代〉と呼ばれているのは、服部大先生をはじめとする、おじさん&おばさんオタクの貢献のおかげなのです!
自分は30代にして、いわゆるプリキュアヲタだが、読者のみなさんは昨今における〈女児アニメ戦国時代〉をお知りだろうか。最新作『GO!プリンセスプリキュア』で放送12年目を迎えた定番プリキュアシリーズは、この数年、視聴率やグッズの売り上げが減少傾向にある。理由のひとつは、後続の女児向けアニメの台頭。3年目を迎えた『アイカツ!』シリーズ、最新作『プリパラ』で4年目を迎えた『プリティーリズム』シリーズ――女児アニメ界は今、この3作品が覇権を狙ってせめぎあう三国志時代に突入しているのである。
この3作品、「必ずCGパートがある」「ダンスを踊る」「ゲーム筐体が存在する」など、びっくりするぐらい似通う部分が多い。一方のCGが進化すれば、もう一方も進化。あっちがコレクション性の高いカードを販売すれば、こっちも! と、互いにパクり合って……じゃなく、影響を受け合い、日々進化している。おかげでCGの水準は、業界でもトップクラスの出来に(女児向けなのに)。
12年の『アイカツ!』のゲーム筐体は、オタク男性相手に異例のヒットを記録し、おもちゃ屋で女児に混じる「アイカツおじさん」を激増させ、去年はプリパラが女性オタクにヒットし「プリパラおばさん」も増加したほど。そう、女児アニメ戦国時代に踊らされているのは、我々オタクのおじさん&おばさんなのだ。女児は、数年で見なくなり、我々より先に卒業してしまう。つまり、我々女児向けアニメオタクたちは、永遠にそこから卒業できない留年生なのである!
服部昇大(はっとり・しょうた)
本業はマンガ家でありながら、あらゆる分野で活躍するハイパーマルチ・アーティスト。著書に『ダークアウト』や『魔法の料理 かおすキッチン』(共に集英社)など。『今日のテラフォーマーズはお休みです。』単行本1巻が絶賛発売中!
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