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【CYZO COLUMN CURATION】西田藍のアイドル的"制服"偏愛論【6】

【アイドル・西田藍】「スカート丈でわかるアニメ表現の"リアル"」

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――ミスiD2013の文芸アイドルが業深き"制服愛"を語り倒す!

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二次元的なツインテールにマイクロミニ!お気に入りだけど、これ着て学校はムリ!

 アニメやマンガ、二次元世界における制服の描き方がとても気になる。アニメ絵の女子高生たちだって、女子高生像を形成しているものの一部だからだ。けれど、現実の女子高生とアニメの女子高生は、当然ながら別モノ。現実に映える服と絵にして映える服とは違うのだから、単にリアルであればいいってものでもない。絵柄や学校の設定、作品世界と制服がかみ合っているかどうかが大事なのだ。制服のリアリティ・ラインといえばいいのだろうか。その点、京都アニメーション制作の近年の二大ヒット作は非常に対称的だ。

『涼宮ハルヒの憂鬱』(2006年)は谷川流の大ヒットラノベ作品、涼宮ハルヒシリーズが原作。制服はラノベ版 のイラストと同じ。大きいセーラー襟に、太いラインや長いリボン。上衣の裾イン。目を引く水色と赤の組み合わせ。これらの特徴は、デフォルメされてはいるものの、現実の制服にもあるもので、決して突飛ではない。派手だが、学校制服の型を外してはいないのだ。二次元的な髪飾りやソックス、下着が見えそうなマイクロミニのスカート、キャラの着こなしもそれぞれ馴染んでいる。

 一方の『けいおん!』(09年)は同名の四コママンガが原作。同作は監督が女性ということもあり、「女性キャラにリアリティがある」として話題になったのだけれど……。

 制服デザインは確かに現実とほぼ変わらない。しかし、主要キャラ全員、下着が見えそうなマイクロミニのスカートというのが、ちょっと気に食わなかった。彼女らの通う高校は、落ち着いた校風の私立女子校という設定なのだが、実際にミニスカが許されているような学校では、生徒たちのスカート丈はミニから膝丈までさまざま、となるのが一般的。今どき、マイクロミニの生徒なんてごくごく少数派なのだ。脚を出したほうがアニメ的にかわいく見えるのはわかる。しかし、スカート丈におけるリアリティの欠如が、なんだか非常にひっかかってしまうのだ。

 設定のリアルさや絵柄のデフォルメ具合によって、自然だと思える服装の範囲も変わる。顔立ちや体型をリアルに近づければ近づけるほど、アニメ的記号が悪目立ちするわけだ。『けいおん!』は、その他のキャラ造形がリアルだからこそ、マイクロミニが浮いてしまう。あの子たちなら、スカートも 自分らしい丈にするんじゃないかって気がする。

 そんな、制服にだけは異常に細かい私が大好きな作品が、『たまこまーけっと』(13年)だ。『けいおん!』の監督が手がけたオリジナルアニメで、顔や体型はけいおんアニメと同じ。そして制服は、デザインや着こなし、どの角度から見てもとってもリアル。京都聖母学院の旧制服がモデルらしいけど、膝上程度のスカート丈は、まさに「普通の女子高生」。リアルで普通で、アニメとして動く姿もとてもかわいい。

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西田藍(にしだ・あい)
1991年10月20日、熊本県生まれ。根暗な青春時代を過ごした後、12年、講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD2013」で準グランプリを獲得。圧倒的な読書量と制服愛を武器に、「文芸コスプレアイドル」として絶賛売り出し中。現在、雑誌「ダ・ヴィンチ」に書評連載中。

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