サイゾーpremium  > 特集  > 社会問題  > 【韓国】の報道から読み解くスポーツとナショナリズム

――ここまでは、02年のワールドカップが昨今の嫌韓問題を作り上げた理由を見てきた。では、当の韓国内では、ブラジル大会を前に、どのような報道が見られるのだろうか?

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『We Are KOREA! レッドデビルが“2014大型カードセッション”』を報じた文化日報。

 ブラジルワールドカップの開催を前にして、韓国国内も徐々に盛り上がりを見せてきている。本大会前の国内最後の代表戦となったチュニジア代表との親善試合(5月28日)は0-1で敗れたが、12・8%と高視聴率をたたき出した。やはり韓国国民のワールドカップに対する関心は高い。

 そもそも韓国代表の絶頂期は日韓ワールドカップのベスト4で、この大会を機に“サッカーの祭典”は国民的行事として広く浸透した。ただ、サッカーというスポーツ自体が国民的な人気を得ているのかといえば、そうとも言い切れない。韓国の国内1部リーグ「Kリーグ・クラシック」の上半期の平均観客動員数は7889人と発表されたが、これは多いとも少ないともいえない数だ。

 例えば首都のソウルをホームとするFCソウルの平均観客動員数は、1万4908人で、地方都市の釜山をホームとする釜山アイパークの同数は3252人。首都圏と地方とでその差は歴然で、観客席がまばらな試合も珍しくない。

 だが、代表の試合になると状況は一変する。先に述べたチュニジア代表との親善試合は空席が目立ったが、それでも観客数は優に1万人を超える。最近、セウォル号沈没事故のこともあり、イベント自粛ムードのような雰囲気からか、いつもよりも訪れる人が少なかったが、それらを差し引いたとしても、本大会になれば、02年大会の時のような気持ちの高揚をもう一度、思い起こさせてほしいと願う国民は多い。

 こうした自国、郷土を愛して、英雄の登場を待ちわびる気持ちこそナショナリズムであるが、韓国のメディアの報道にもそうした流れが垣間見られる。

 5月28日に文化日報は、『We Are KOREA! レッドデビルが“2014大型カードセッション”』という見出しの記事を出した。“レッドデビル(赤い悪魔)”というのは、韓国代表サポーターの愛称。韓国代表サポーターのカードセッション(プラカードで作る人文字)はお馴染みとなっているのだが、その文字が“We Are KOREA(我々はコリア)”なのだ。これほどハッキリと自国を主張したカードセッションは他国ではあまり見られず、韓国の自国愛の強さを感じさせる象徴的な部分でもあろう。

 この記事の中に出てくるレッドデビルのパン・ウヨン議長のコメントがまた熱い。“We Are KOREA”の文字について「韓国がアジアで唯一、9回W杯に出場しているサッカー強国という自負心を表現した。それと共に韓国がひとつになり、セウォル号沈没事故の国難を乗り切ろうという気持ちを込めた」と解説している。

 悲痛な事件に対する国民の気持ちをワールドカップで表現していこうと、読者の心に呼びかけるような報道のひとつと言えるだろう。

 さらにもうひとつ、面白い記事を見つけた。スポーツ・芸能総合専門サイトの「OSEN」の6月3日付の記事で、タイトルは『太極旗(韓国の国旗)、アメリカで星条旗を降ろした理由は?』である。その内容は、冒頭から韓国の強いナショナリズムが感じられるものだった。

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