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第1特集
識者に訊く!巨額を生み出す巨大サイトの手腕

知られざる本当の姿は"巨大ガラパゴス サイト"!? 「ヤフー! ジャパン」の実力

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――日本においては、ポータルサイトとして圧倒的な地位を誇る「Yahoo! JAPAN」。まさに「国民的サイト」といっても過言ではないこの超巨大サイトの”実力”はいかほどのものなのか? 各界の識者に聞く!

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(絵/我喜屋位瑳務)

 米国「Yahoo!」の日本語版である「Yahoo! JAPAN」(以下、ヤフー)は、米ヤフーがソフトバンクと提携して1996年にヤフー・ジャパンを設立し、開設したポータルサイト。以降、日本においては、アクセス数においても、またそのことに裏打ちされた認知度、存在感においても、いちポータルサイトとしてのみならず、日本における「ホームページ」の代名詞として不動の地位を守ってきた。

 週平均のページビューは、パソコンからだけで約143億PV(13年4月週平均)。その他のポータルサイト、例えば「livedoor」は全体で月間約84億PV(13年11月末モバイル・スマートフォン含む)、「Excite」は全体で月間5億7725万PV(14年2月現在)というから、ヤフーのページビューは圧倒的である。ユーザー層を見ても、男女比は6:4、年齢による偏りも少なく、まさに「国民的サイト」といえるだろう。

 なぜ、こうまでもヤフーが独り勝ちしているのか? ITに一家言を持つ各界の識者に分析してもらった。

【1】~ヤフトピ~もはや時代遅れの古いメディア!?

――「ヤフー・トピックス」日本最大のニュースサイトといって間違いない、ヤフーの“顔”。13年6月のレイアウト変更により、ページ右端から中央に移動。

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(絵/我喜屋位瑳務)

 メディア関係者は必ずチェックしているといってもいい「ヤフー・トピックス」、通称ヤフトピである。現在、250ほどの媒体、記事数にして毎日約3500~4000本のニュースがヤフーに配信されており、この中から70~100本の記事を、25名ほどのスタッフが厳選、トピックスとしてトップページに掲載している。ここで取り上げられた記事は爆発的に話題となるため、配信元の各メディアのスタッフは、ここに取り上げてもらうことをひとつの目標としているくらいである。

 だが、社会との関係性やコミュニケーションから脳の解明をする『拡張する脳』(新潮社)などの著書を持ち、自らも海外サイトなどを日常的にチェックしているという理化学研究所脳科学総合研究センター所属の脳科学者・藤井直敬氏はこう語る。

「ニュースは、ツイッターやフェイスブックに流れてくるものをよく見ます。ほかには、ニュースアプリ『Gunosy(グノシー)』や『SmartNews(スマートニュース)』。これらのほうが情報を選別できるし、一画面に映っている情報量もヤフーより多くて見やすい」

 中学1年生の子役タレントでツイッターでの発言が活発なはるかぜちゃんこと春名風花さんは、「はるかぜちゃんTwitter卒業へ」(14年1月27日)、「春名風花 記事に訂正求める」(14年2月13日)などの記事がヤフトピに掲載された経験もあるが、本人は掲載されたことに関して特別な思いはないようだ。

「ふだんはツイッターのほか、友だちとのやりとりにはLINEを使っています。ヤフトピ、というかヤフーのサイト自体を自分からチェックしに行くことはないです。ツイッターで『載ってたよ』と教えてくれるフォロワーさんがいるので、それでたまに見るくらい。学校の友だちもたぶん見てないと思う。でも、ツイッターで自分がちょっと書いたことが、事実とは違う形で大勢に拡散するのは困りますね。『ツイッターをやめる』なんて言ってないのに『卒業へ』と書かれて……いいことで載るのはうれしいんですけど(笑)」

 当人に一切取材をせずに、ツイッターやブログ、テレビでの発言をそのまま記事にするのは、最近のネットニュースの流れである。そういった記事も含めて、どのニュースをトピックスに取り上げるべきかを判断し、トップページの規格に合うよう13文字の見出しをつけ直して掲載しているのは、前述の通りヤフーのスタッフである(一部はプログラムが序列をつけているが、最終判断はスタッフ)。ちなみにグーグルが提供する「グーグルニュース」は、プログラムが記事を自動的に収集し、トップニュースに上げる記事も選定している。

 読売新聞社を経てヤフーに入社し、トピックス編集のリーダーを務め、現在はヤフー子会社のニュースサイト「THE PAGE(ザ・ページ)」を運営するワードリーフ社長・奥村倫弘氏は、著書『ヤフー・トピックスの作り方』(光文社)で、人の手による選別は機械処理にはないメリットがあると述べている。

 機械は「ニュースらしいニュースを選んでくるのは得意らしいのですが、人間の感情に訴えかけてくるような記事を取り上げるのは上手ではないらしい」、人の手による編集にこだわるのは「きっと言語化できない、ロジックに落とし込めない、最後の端には『このニュースには価値がある』としか言いようのない価値観があると信じているからです」(同書より)

 ちなみに、ヤフー・ニュースのコメント欄は常時荒れていることで知られるが、それは感情に訴えることに成功しているということなのか、それとも単にユーザーの質の問題か。

 メディア関係者は、「海外サイトではニュースは次から次へと常時流れているのが主流。編集部によって選別された記事をその都度読むという受動的なスタイルは古い。その形式を変えないのは、ヤフーが独占状態にあり、変える必要性が生じないからでしょう」と語る。

【2】~ヤフオク~開設初期の面白みはすでに喪失!?

――99年9月にサービス開始。日本においては、ヤフオクにあらずんばネットオークションにあらずというほどの独占状態にあり、常に2000万点以上が出品されている。

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(絵/我喜屋位瑳務)

 99年にスタートした「ヤフオク!(旧・Yahoo!オークション)」は、日本のオークションサイトの最大手である。世界最多の利用者を誇る「eBay(イーベイ)」は、99年10月に日本法人を設立したが、ヤフオクの勢いに負け、02年3月末に撤退した(07年にヤフーと提携して再進出し、海外のeBayに出品されている商品を購入できる日本語サービスサイト「セカイモン」をオープン)。

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