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第1特集
サイゾー的"識者"が読む『進撃の巨人』【1】

【吉木りさ】『進撃の巨人』 エヴァを初めて観て以来の衝撃、これぞ次世代の少年マンガ!

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――マンガ、アニメ好きとして知られ、『進撃の巨人』アニメ化記念キャンペーンで「体、心、命を削ぐ若者達。止まらぬ疾走感、後引く恐怖。」というキャッチコピーを残した吉木りさ。彼女が虜になった理由とは?

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(写真/諏訪 稔)

 マンガでまず印象に残るのって、絵柄ですよね。『進撃の巨人』には、いい意味で絵柄に裏切られました。上手なのか下手なのかわからないヘタウマ感のある絵柄ですが、それがかえって巨人の気持ち悪さをうまく表現するのにつながっていて。なんていいバランスなんだろう、って思います。

 それに、なんといってもストーリーの力がすごい! 絵や雰囲気のグロさやダークさは邪道っぽいのに、ストーリーは王道の少年マンガなんですよね。物語の根っこはポジティブだし、展開が早くて「こうなっちゃうの!?」っていうドキドキ感もワクワク感もある。邪道さと王道さという、相反する2つの要素がうまく重なっている感じに出会ったのは初めてですね。

 そもそも、手に取ったきっかけも絵なんですよ。『このマンガがすごい! 2011』(宝島社)でオトコ編の第1位に選ばれていて、「こんな独特の絵が1位になったんだ!」と思って。当時出ていた3巻までを全部買って、読み始めたらバーッと一気読み。本を閉じて「これは次世代のマンガなんだ……!」ってすごい衝撃でした。それこそ、初めて『新世紀エヴァンゲリオン』を観た時ぐらいの!

 エレンやミカサたちが立体起動装置を固定するために腰にぐるぐる巻いている「耐Gベルト」にも萌えますね〜。上半身と足にもかかってるんですけど、特にもものところの2本が! すごく禁欲的でたまらないです。取り外したら痕がついてるのかな? 自分自身はあまりコスプレをしないんですけど、絶対にコスプレしがいのある衣装なはず。ネットでは、コスプレイヤーさんたちの写真をめっちゃチェックしてます。

 立体起動装置も、原始的なんだけどかっこいいですよね。YouTubeに、立体起動装置を作った人の動画もたくさんアップされてるんですよ! 段ボール製で金属に似せた塗装をしてあって、細部まで作り込んであって、もう、いくら出してもいいから買いたいぐらい。

 これだけ好きなので、アニメ化を記念して12年末から行われた「キャッチコピー総選挙」へのエントリーオファーをいただいたのはうれしかったですね。1位を取れたら、作品の中に巨人として登場できるんですよ? 「ヤバーッ!」って思って、姉と一緒に1週間ぐらい考え続けてました。家に来てもらって、単行本を全巻広げてお互いにバーッと10案ずつ書き出したりして。あ、姉もオタクなんです。

 相当たくさんの候補の中から「体、心、命を削ぐ若者達。止まらぬ疾走感、後引く恐怖。」というキャッチコピーが出来上がったわけですが……残念ながら優勝したのは「行こうぜ、食物連鎖の向こうへ。」の綾小路翔さんでした。惜しかったなぁ。巨人になれたら、登場人物に弱点の首の後ろをこそげ落とされて死んでたかもしれないのに! ぜひアルミンに「今だ~っ!」って指示を出してほしかった!!

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吉木りさちゃんが「名シーン」と語る場面。ファンなら泣ける!? (単行本3巻より)

 アルミンは一番好きなキャラクターなんです。力が弱くて、いつも主人公のエレンやミカサに助けてもらって劣等感ばっかり抱いていて。でも、劣等感を持っていたからこそ、それをバネにして、本来持っていた頭脳力を一気に発揮していく。私は、その姿が大好きなんですよ。

 なかでも私がいちばん好きなのは、巨人化してしまったエレンを、アルミンが自力で助け出そうとする3巻から4巻にかけてのシーン。エレンを巨人の体の中から救い出そうとして、アルミンは「巨人を駆逐してやるんだろ?」「僕達はいつか、外の世界を探検するんだろ?」と語りかける。結果、「どうしてエレンは外の世界に行きたいと思ったの?」という問いに、エレンは「オレが!! この世に生まれたからだ!!」と答えて、人間としての意識を取り戻すんです……! 名シーン!! このシーンは、アニメ版でもすばらしかったです。

 春に放送されたアニメもよかったですね~。クオリティの高さといい、オープニングとエンディングの曲といい、今年のナンバーワン作品といっても過言ではないです。『進撃の巨人』はアニメ化がすごく難しかったと思うんですね。絵柄が独特だし、作品の大きな特徴のひとつである笑いの部分をどうやって再現するのかな? って思っていて。作者の諫山創さんは、天然なのか確信犯なのかわからないですけど、明らかに笑うところなのに絵がマジっぽいから「笑っていいのかな?」っていうような、なんだか不思議な笑いのツボを作ってあるんですよ。それが物語のいい間になっているんですが、アニメ版でもそれがめちゃくちゃうまく消化されていてすばらしかったです。

 私、数年前から、本当に好きなアニメは、お仕事で必要な場合以外は最終回を観ないことにしてるんです。『進撃の巨人』もそのひとつで。録画したものをDVDに焼いて保存はしてあるんですが、毎週楽しみに観ていたアニメが終わるたびに虚無感を感じるのが嫌なんです。“あまロス”ならぬ“アニロス”とでもいうのか……。でもきっと、2期・3期と続くはずなので、いつかは観ると思います。2期が始まったら、1期の最終話は観られる仕組みなんです、自分の中で(笑)。

 原作も、もう11巻といえど、物語はまだまだ始まったばかりという印象ですよね。いままでがそうだったように、これからも想像を超える展開を期待しています。そして、ラストまで気持ちよく裏切られ続けたいです!

(構成/有馬ゆえ)
(ヘア&メイク/金坂純子)

吉木りさ
1987年、千葉県生まれ。04年にデビュー。マンガ、アニメマニアとして知られ、11年には「yoshiki*lisa」名義でアニメ『GOSICK-ゴシック-』のOPソングを担当した。最新DVD『可恋花』『夢想花』が発売中。

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