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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第40回

参議院選挙とインターネット

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──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

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『完全解説 インターネット選挙』(国政情報センター)

 さる7月21日に行われた参議院選挙は、大方の予測通り自民党の大勝に終わった。この結果をもたらした原因については当然、さまざまなものが考えられる。アベノミクスへの率直な期待と評価、政党ごとの支持率が充分に反映されない現行の選挙制度の問題など、論者によってさまざまな視点から分析がなされているが、ここではインターネット選挙運動解禁との関係で考えてみたい。

 このたびの参議院選挙から解禁されたインターネット選挙運動についてはいま、ゆるやかな失望が広がっていると言えるだろう。期待された投票率の上昇はなく、それどころかふたをあけてみれば自民党・共産党という20世紀的な保守・革新政党が議席を伸ばした。ソーシャルメディア上では、いわゆるネット右翼や山本太郎陣営によるネガティブキャンペーンが跋扈し、新経団連やネットに足場を置く若手ジャーナリスト・知識人の支持を広く集めた鈴木寛は落選した。

 その結果、インターネット選挙運動を解禁したところで、現時点では政界にネット右翼(の動員)と放射脳(山本太郎)がはびこるだけだ、ということが証明されてしまった、という失望が広がっているように思える。

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