サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 【北朝鮮】でも宗教画ブーム!? 政府支配下にあった芸術の変化
第1特集
カルト宗教に見る"スピリチュアル・アート"の可能性【3】

政府支配下にあった芸術の変化 屋台に並ぶ宗教画たち北朝鮮への影響は?

+お気に入りに追加

──2005年から翌年にかけて、北朝鮮と国境を接する中国・延辺朝鮮族自治州の国境の町を歩いていると、キリストや聖母マリアなどの宗教画を土産物として売る屋台が、あちこちで目についた。近くに教会などがあるわけでもないのにだ。その訳を、韓国に逃れて洗礼を受けた脱北者が教えてくれた。

1309_az_kita.jpg
『マンガ 金正恩入門』(ティー・オーエンタテインメント)

「美術やスポーツなど、なんでも英才教育を施す北朝鮮には絵心のある人間も多い。中国や韓国の宗教関係者が、そういう人々に絵を描かせて買い取りながら布教を行っているんです。北朝鮮の国境地帯には、体制に秘密の『地下教会』が結構ありますよ」

 北朝鮮においては本来、アートは「金王朝」による支配の道具として利用されてきた。その中心となってきたのが、1959年に設立された万寿台創作社だ。

 同社は、平壌美術大学卒などのエリートを中心に、1000人のアーティストを含む4000人のスタッフを擁する。故・金日成主席や故・金正日国防委員長の肖像画制作はこの集団が一手に担っており、彼らを"神格化"する上で重要な役割を果たしてきた。

 しかし近年、同社の動きにはやや違ったものが見られるようになった。

 米国議会系の短波放送「ラジオ・フリー・アジア」は6月14日、北朝鮮最高のアーティスト集団である「万寿台創作社」が外貨獲得のため、「絵画のインターネット販売に乗り出した」と報道した。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年11月号

「異形と異端」が 動かすニッポン論

「異形と異端」が 動かすニッポン論
    • なぜ、我々は横浜流星に惹きつけられるのか?
    • なぜ、『べらぼう』は異形の大河なのか?
    • [特別対談]立花孝志×上念司
    • 参政党は叩かれて強くなる!
    • [対談]安田淳一監督×阪元裕吾監督
    • “因習村”源流としての金田一
    • 日本一早いプロ野球順位予想

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【かとうれいこ】27年ぶりの写真集発売、レジェンドがグラビア復帰を決断した理由
    • 【Small Circle of Friends】切なさと力強さ。正しさと優しさ。アズマとサツキの絶妙ブレンド。
    • 【日爪ノブキ】仏で国家最優秀職人章に認定された男が推し進める「人類帽子計画」
    • 俳優生活11年、木竜麻生の現在地
    • 超大物アーティストが愛用する シルバージュエリーブランド──「サーティーンデザインズ」代表インタビュー

連載

    • 【マルサの女】橘 和奈
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • GROOVE SEQUENCE──NJSとLDHの親密な関係値
    • 【特別企画3】マッチングアプリが変えた恋愛の価値観
    • 乙女たちの官能界隈
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ