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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

フジヤマ・ゲイシャの国

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フェリーチェ・ベアト『富士山』(1863~70年/IZU PHOTO MUSEUM蔵)

「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」が世界遺産へ登録されるという。均整のとれた美しい稜線を持つこの山は日本人だけでなく、日本を訪れた外国人の眼も引きつけてきた。幕末に日本が開国した際には多くの外国人旅客が押し寄せ、最大の開港地となった横浜の居留地からは富士山の姿がよく見えたという。こうした開港地では外国人旅客向けの土産物として「横浜写真」と呼ばれる産業が発達した。日本の風景や風俗を撮影した写真を手彩色し、蒔絵や螺鈿細工の表紙のアルバムに収めたもので、富士山は被写体としてだけでなく、写真館の背景画や商標としても採用された。西洋伝来の写真術と日本の伝統的な技法を接合した和洋折衷の「横浜写真」は人気を博し、生糸や緑茶などの輸出品とともに外貨獲得に貢献した。

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令和時代の(新)タブー

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