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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第35回

「日本文化の論点」と「文化時評アーカイブス 2012-2013」

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──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

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『文化時評アーカイブス2012-2013』

 私事で恐縮だが、この春に2冊の本を出すことになった。

 1冊目は初の新書となる『日本文化の論点』(筑摩書房)だ。

 この本はインターネット以降の文化論の入門的な1冊として語りおろしたもので、2013年度から始まる京都精華大学での講義の教科書に指定している。

 情報化の進行が僕たちの生活文化をどう変えていったのか。マスからソーシャルへの地殻変動、情報技術と「中動態」という概念、新しいホワイトカラーの誕生、音楽ソフトはなぜ売れなくなったのか、ゲーミフィケーション、そして震災後の想像力の行方など、ここ数年僕が展開してきた議論をコンパクトにまとめている。「面白くて、わかりやすい」をコンセプトに、普段批評や思想に触れていない人を意識して書いたので、『ニッポンのジレンマ』や『ETV特集』(共にNHK)で僕を知った人にぜひ、手に取ってもらいたい。

 最終章は、こうして育まれた文化論から、どう新しい社会を構想していくのか、という議論を展開している。僕のマニフェスト的な1冊である「PLANETS vol・8」と併読してもらえると嬉しい。

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