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第1特集
アニメ映画急増の舞台裏【2】

ガイナックス社長・山賀博之に直撃!! 総集編映画って儲かるの?

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──【前特集】までは識者やジャーナリストの話から、総集編アニメ映画が増えた背景を探ってきた。では、実際の制作者側のうまみはどこにあるのだろうか? やはり経費が安くておいしいコンテンツなのか? アニメ制作スタジオの雄・ガイナックスの社長である山賀博之氏に、総集編映画の採算事情について、話を聞いた。

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(写真/田中まこと)

 私どもガイナックスは、劇場用オリジナル作品『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の制作からスタートして以降、テレビアニメの総集編映画として『天元突破グレンラガン』などを、新作エピソード映画としては『新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを、君に』を制作してきました。2006年には、OV2作を再構成した『トップをねらえ!&トップをねらえ2! 合体劇場版!!』を公開しましたが、これはファンのみんなに喜んでもらおうと、関係者のトークショーを催すなど、ファンイベント的な性格が強かったです。

 制作としては、総集編映画は作業のほとんどが編集と直しなので、基本的に全体の制作予算も少なく、大体パブリシティ(宣伝広告費)と同じくらいです。総集編映画と新作映画では、かけられるお金は10億円くらい違ってきますね。もし再編集するだけで映画を作るのであれば、極端な話、編集所を2~3日借りて編集すればいいだけ。しかし、結局、音声を録り直す必要があったり、新規作画を追加することも多く、一度チームをばらした後に再集合をかければ、かなりのお金がかかってしまう。なので、総集編映画は、ありものの素材でパーッと作って丸儲けしてるのでは? といわれても、商売としてのうまみは正直あまりありません。総集編映画単体で儲かったという話は聞きませんよ(苦笑)。

 プロデュース側として思うのは、今の劇場には、お客さんがほかの観客と一緒に映画を観て、「あそこで観てきた」とツイートして共有するといった、見世物の基本に先祖返りするようなスタイルが求められている。今、映像コンテンツはビデオどころか、ネットでも気軽に視聴可能です。そのせいで、テレビで見られる映像コンテンツの「格」が下がりました。「格」というのは、映像の質ではなく、「今、ここでしか見られない」というスペシャル感のことです。一方で、観客には依然として非日常的な映像体験への欲求があるので、「スペシャルな映像」を求めて、アニメファンは劇場へ足を運ぶようになったのだと思います。

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