サイゾーpremium  > 特集2  > 【「週刊ベースボール」編集長】「巨人軍の醜聞の意義」

──50年以上もの歴史を誇る専門誌「週刊ベースボール」。常にファンの目線から球界と巨人軍を見てきた同誌編集長は、一連の醜聞をどう見るのか?

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『週刊ベースボール 2012年8/27号』(ベースボール・マガジン社)

 よく言われるように、野球界をめぐる状況は一昔前とは随分変わり、かつてドル箱だったテレビでの巨人戦中継も今は地上波ではほとんどなく、BSやCSが中心になっています。同時に、北海道の日本ハムファイターズ、仙台の東北楽天ゴールデンイーグルスなど、それまで球団がなかった地方に球団が根づいて、従来ならテレビ中継が巨人戦をやるのでなんとなく巨人ファンになっていた地方の人たちが、地元の球団を支持するようになりました。巨人軍もそのあたりの問題はすごく認識しており、女性ファンを意識して女性専用の席をもうけるなど、なんとか球場にファンを呼び込もうと努力していることがうかがえます。だから、私は巨人軍の驕りみたいなものは、実はそれほど感じていないんです。

 もちろん、球団にとっての至上命題は勝つことですから、原監督もそこに徹しようとしているのは、間違っていないと思います。ただ、今の巨人で見られるように、三番や四番にも送りバントをさせるような野球をするのはいかがなものでしょうか? やはりクリーンアップというのは、本来豪快にホームランを打ってこそ、というイメージがあると思うのですが、飛距離が伸びない統一球が昨シーズンから導入されたこともあって、クリーンアップにもバントをさせるような野球が主流になりつつあるのは、首をかしげたくなりますね。巨人ファンが求めているのは第一に勝利なので、それでも勝てれば喜ぶのでしょうが、巨人ファンだけを喜ばす野球で果たしていいのか。個人的には王道を行く野球で勝利をつかんでほしいと思います。

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