サイゾーpremium  > 特集  > 企業裏事情  > 【GREEとモバゲー】のビジネスモデルの罠

――批判を覆すために、今必要なものは何か? デジタルコンテンツ業界を取材し続けてきたジャーナリストが、プラットフォーム2社に期待することとは──。

1206_matsumotoatsushi.jpg

まつもとあつし
ジャーナリスト。ネットベンチャー、出版社等を経て、現在東京大学大学院情報学環博士課程在籍。ネットコミュニティやデジタルコンテンツのビジネス展開についての研究・取材などを手がける。著書に『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー)、『スマートデバイスが生む商機』(インプレスジャパン)など。


【○】コンシューマーゲームへのフィードバックが生まれれば、再びゲーム大国となる可能性が。
【×】ギャンブルとみなされがちなビジネスモデルでは、海外展開も苦労するはず。

──ソーシャルゲーム業界に対しては、今現在賛否が共に存在している状態です。著書『ソーシャルゲームのすごい仕組み』で、その可能性と問題点の双方を指摘されたまつもとさんは、率直に同業界が今後どうなっていくとお考えですか?

まつもとあつし(以下、) 今、大事な分岐点に来ていると思います。報道されているように、ガチャ、特に射幸心を煽るコンプガチャを多用して収益性の高さを追求してしまうと、公的な規制、あるいはすでに一部で始まっていますが、業界側で自主規制の動きを取らざるを得なくなる。いずれにしても規制は収益性を損ねるので、ガチャに依存しすぎないことが大事でしょう。

──しかし、『ソーシャルゲームの~』にも書かれていましたが、現在GREEやDeNAといったプラットフォーム企業は、全ユーザーのうち25%の課金者からの収益で成り立っているとされています。プラットフォーム側としては、この25%からの収益を増やさないと儲かりませんよね。

 収益性を高める方法は2つあります。ひとつは、お客さんにさらにガチャをたくさん回してもらい、アイテムをたくさん買ってもらう、重課金への道です。しかし、これは今言ったように危険な方向性。もうひとつが海外への進出です。課金ユーザーの比率やARPU(月間電気通信事業収入)はそのままに、市場自体を大きくすることで収益を上げる方法です。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年11月号

「異形と異端」が 動かすニッポン論

「異形と異端」が 動かすニッポン論
    • なぜ、我々は横浜流星に惹きつけられるのか?
    • なぜ、『べらぼう』は異形の大河なのか?
    • [特別対談]立花孝志×上念司
    • 参政党は叩かれて強くなる!
    • [対談]安田淳一監督×阪元裕吾監督
    • “因習村”源流としての金田一
    • 日本一早いプロ野球順位予想

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【かとうれいこ】27年ぶりの写真集発売、レジェンドがグラビア復帰を決断した理由
    • 【Small Circle of Friends】切なさと力強さ。正しさと優しさ。アズマとサツキの絶妙ブレンド。
    • 【日爪ノブキ】仏で国家最優秀職人章に認定された男が推し進める「人類帽子計画」
    • 俳優生活11年、木竜麻生の現在地
    • 超大物アーティストが愛用する シルバージュエリーブランド──「サーティーンデザインズ」代表インタビュー

連載

    • 【マルサの女】橘 和奈
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • GROOVE SEQUENCE──NJSとLDHの親密な関係値
    • 【特別企画3】マッチングアプリが変えた恋愛の価値観
    • 乙女たちの官能界隈
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ