サイゾーpremium  > 特集2  > 菅野事件"はKK事件の再来か──制度改革...

──特集【2】のドラフト事件と変遷史を始め、ドラフトの歴史を振り返ってみると、世間を騒がせてきた"事件"には、どれも読売ジャイアンツがからんでいる。もうひとつの側面からドラフトの歴史を覗いてみよう……。

1201_2toku_az01.jpg
「巨人 ドラフト1位のその後」(宝島社)。

 ドラフト制度の変遷は、そっくりそのまま"球界の盟主"たる巨人の暗闘の歴史であるといっていい。

 そもそも、制度ができる以前、60年代前半の巨人といえば、「巨人・大鵬・卵焼き」なる言葉が流行したほどの超人気球団。プロを夢みる野球少年はみんな巨人に行きたがったし、当の球団は、その絶大なるブランド力の上にあぐらをかいてさえいれば、黙っていても将来のスター候補は向こうからやってきた。

 ところが、西鉄(現・西武)の西亦次郎オーナーが提唱する、契約金高騰の抑止と戦力の均衡を目的にした新制度の導入に他球団が同調したことで、本当は自由競争のままが断然よかった巨人も、渋々ながらこれを了承。かくしてアメリカのNHLを手本にした日本版ドラフトは、65年のシーズンオフに記念すべき初開催を迎えることになる。

 むろん、これまで欲しい選手を好き勝手に獲ることのできた巨人にとっては、制度がもたらすメリットなどこれっぽっちもあるはずがない。実際、68年には、法大・田淵幸一のようなトップスターをみすみす逃すことにもなっていたのだから、ここぞとばかりに盟主の存在感を発揮して、制度の形骸化を画策したとしても、なんら不思議はなかった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年8月号

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 小栗有以(AKB48・アイドル)──多忙な日々の中で心と身体の調和を保つ秘訣とは
    • 水道橋博士(お笑い芸人)──「うつ病」発症は国会の重責が原因ではなかった?
    • 3li¥en(アーティスト)──キャリアは浅くとも人間味がディープすぎるフライガール

連載

    • 【マルサの女】つんこ
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【最終回】【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Yoru】艶やかに躍動する 気韻生動の肉体美
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【アンジェラ芽衣×梅本剛史】身長172センチの女性モデルが “あえて”ツナギを着てみた!
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ