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──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2011年1月号 COMICクロスレビュー

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■血しぶき飛び散る男たちの戦い、完結!
『シグルイ』(15巻)
作/山口貴由
原作/南條範夫
掲載/「チャンピオンRED」(秋田書店)
価格/580円 発売日/10月20日
南條範夫の時代小説短編連作「駿河城御前試合」を原作とした時代劇マンガ。盲目・跛足の復讐鬼・伊良子清玄と、彼と浅からぬ因縁を持つ隻腕の剣士・藤木源之助が、真剣を用いた御前試合で相まみえたことから、過去にさかのぼり彼らが宿命の対決に至るまでを描く。特徴的な絵と肉体描写の克明さなどで評判を呼んできた作品がついに完結。


【脚本/演出家・麻草評】
★★★★★★★★★☆
繰り返された輪郭の破壊が結実
無明の闇では、己が身ですら曖昧に変わるという。ためしに目を閉じてあたりを触ると、机、パソコン、モニターの在り処がわかる。さらに強く触れば、それらを触る己の身、その輪郭が際立つ。本作にて描かれてきた極端なアクションとリアクションの連鎖は、互いの肉体とその自我の輪郭を濃く太く際立たせてきた。だがあまりに強いその抱擁は張り詰めた輪郭線をも破壊する。幾度の破壊を経てたどり着いた最後の刻を刮目して見よ。

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