サイゾーpremium  > 特集2  > ソフト化された自主映画が放つ過激さの追体...
第2特集
あなたの脳を揺さぶる「ヤバい!」DVD【5】

ソフト化された自主映画が放つ過激さの追体験と当時の空気──井土紀州[シナリオライター・監督]

+お気に入りに追加

【選者】井土紀州[シナリオライター・監督]

1009_bunchu_jishu.jpg
30年近いときを経てもなお、観るものに衝撃を与える『闇のカーニバル』。これはその1シーンにすぎないが、その苛烈さは十分に伝わってくる。

 自主映画の中から"ヤバい"DVD作品を選ぶっていうテーマは結構難しい。そもそも自主映画は、ソフト化を前提として撮られるものではないんです。それが、最近ソフト化されるケースが多い。フィルムならではの衝撃が失われる一方で、自主ならではの過激さが時代を超えて体験できる利点もある。そんな奇妙なねじれが生まれている状況だからこそ観るべき過激な作品を選びました。

 まずは『闇のカーニバル』(81年)【1】。話のスジらしいスジはないんだけど、映画を撮るってことは犯罪を犯すようなことなんだという強烈な印象を突きつけられる作品。実際に新宿の紀伊國屋の前に無許可でクレーン車で乗り入れたり、電話ボックスを破壊したりという無茶な撮影をしているんです。今じゃなかなかできないことだけど、だからこそ映像から作り手の熱がじりじりと感じられる。また、江戸アケミや遠藤ミチロウらミュージシャンが出演していて、当時の東京のカウンターカルチャーとその空気も肌で感じられます。今観ても、商品としてどうだとかテクニックがどうだという意見が挟めないほど、光景として圧倒されるはず。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年8月号

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 小栗有以(AKB48・アイドル)──多忙な日々の中で心と身体の調和を保つ秘訣とは
    • 水道橋博士(お笑い芸人)──「うつ病」発症は国会の重責が原因ではなかった?
    • 3li¥en(アーティスト)──キャリアは浅くとも人間味がディープすぎるフライガール

連載

    • 【マルサの女】つんこ
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【最終回】【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Yoru】艶やかに躍動する 気韻生動の肉体美
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【アンジェラ芽衣×梅本剛史】身長172センチの女性モデルが “あえて”ツナギを着てみた!
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ