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宇野常寛の「現代用語の『応用』知識」第9回

ネオリベ自己啓発系女子「カツマー」 VS 彼女たちを妬むヒガミ系女子「カヤマー」

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 勝間和代と香山リカの論争が話題を呼んでいる。経済評論家の勝間和代が最近立て続けに出版している「向上」を説く人生指南本に、精神科医の香山リカが噛み付いて論争になったのだ。そして僕は最近、なぜかこの「カツマ・カヤマ問題」についてコメントを求められることが多い。

 最初に断っておくが、僕は勝間氏や香山氏の本の内容それ自体にそれほど興味は持てない。斎藤環氏をはじめ、さまざまな論者が指摘するように、強気な状態にある人が勝間本を読んでエネルギー源にし、弱気な人が香山本を読んで安心する。ただそれだけの話で、ふたりの対立は擬似問題でしかない。幸せのかたちは人ぞれぞれ。努力で幸せになれるとは限らないが、努力したほうがその確率は上がる……という「常識」を確認するだけで、このふたりの論争はほぼ決着がつく。

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