「やり直し」こそが仕事の本質―― 彫刻家と考える試行錯誤を 繰り返すことの重要性

[今回のゲスト]
青木邦眞
彫刻家・埼玉県立新座総合 技術高校 デザイン科教諭

パーソナリティ心理学を生かして組織と人材の成長を支援するコンサル企業「HRD株式会社」代表取締役・韮原祐介氏が、“人を育てる立場”にある、各界のリーダーやトップをゲストに迎え、人材育成と自己成長をテーマに語り合う当連載。今回は「ロエベ財団 クラフトプライズ2025」大賞受賞者である青木邦眞氏と「伝統と革新」について本音で語り合う――。

(写真/増永彩子)

韮原祐介(以下、韮原) まずは今回の受賞おめでとうございます! スペインを代表するハイブランドのロエベは、皮革工房としての出発点を持ち、職人技を重んじるものづくりがブランドの特徴です。クラフトマンシップへの強いこだわりを持ち、創業者一族の4代目にあたるエンリケ・ロエベ・リンチ氏は、1988年に詩や舞踊、写真、アート&クラフトといった分野の遺産を守るため、「ロエベ財団」を設立、2016年には「ロエベ財団 クラフトプライズ」を創設しました。これは陶芸、木工、ガラス、金属、織物、ジュエリーなど幅広いジャンルを対象に、芸術性とクラフトマンシップに優れた革新的な作品をたたえる、年に一度の国際賞です。その25年の大賞を受賞したのが、今回のゲストの青木邦眞さんです。青木さんは埼玉県立新座総合技術高校のデザイン科教諭で、生徒の教育指導の日々の傍ら、彫刻家として自身の作品作りをしています。

青木邦眞(以下、青木) 「ロエベ財団 クラフトプライズ2025」に応募したのは24年の10月頃。インターネットで受賞作品を見かけて、「ロエベの賞があるんだ」と知りました。

韮原 青木さんは11年に神戸ビエンナーレ現代陶芸大賞、23年には日本芸術センター彫刻コンクールで金賞を受賞されていますが、これまでも海外展への出展経験はあったのでしょうか?

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