――日々の揺れ動く心模様、混迷を極める世界の現実を、鋭い観察眼で言葉と楽曲に乗せて走る、スモール・サークル・オブ・フレンズ。
(写真/西村 満)
アズマリキ、ムトウサツキから成り、ふたりで楽曲制作を手掛ける彼らは、2024年にデビュー30周年を迎えた。2025年9月に通算13枚目のアルバム『SLOW』をリリースしたふたりに、この30年を振り返りながら、今の心境を語ってもらった。
──楽曲作りでは、どんなところからインスピレーションが生まれますか?
アズマ 興味がどんどん、自分に向かっていって。「自分がこういう事実に対してこう思った」っていうのを客観的に見てリリックを書いてることが多いです。以前はいろんな人たちの様子を見て、こういう人がこういう生活を送って、こういう感情を持ってるんだろうなっていうのを想像して描写することが多かったんですけど、それがどんどん自分たちに向いていって。
サツキ 私も、ものすごく主観的に書いているなって。30年やってきて、曲作りの趣向も歌詞も変わってきている気がします。自分のこと、自分たちのことっていう主観がどんどん強くなっている。
──楽曲制作ではリリックと曲、どちらが先でしょうか?