【KGE THE SHADOWMEN】有名すぎず、無名すぎず――紆余曲折を乗り越えてたどり着いた四十路の本音

――一度聴いたら忘れはしない唯一無二の声を持ち、あらゆるビートを乗りこなすスキルも持ち合わせるラッパー。約11年ぶりとなるセカンドアルバムに至るまでの心情を語る。

(写真/cherry chill will.)

 たまたま手にした『さんピンCAMP』のビデオによって、日本語ラップの未知なる世界の扉を開けた高校生時代のKGE THE SHADOWMEN(以下、KGE)。さらにひとりのアーティストとの出会いによって、本格的にラッパーとしての道を志すようになる。

「当時働いていた原宿の洋服屋に、ラッパーの山仁さんがよく遊びに来ていて。『俺のラップを聴いてください!』ってラップをしたら、『君のリリック超いいよ』って言われて、その気になっちゃって」

 千葉県野田市で育ったKGEは、同県出身者を中心としたクルー〈TEAM44 BLOX〉への参加などを経て、その特徴的な声質とフロウで頭角を現す。

「あの頃は最前線のヒップホップを意識して、流行りのビートやフロウを取り入れていました。同時期、MUROさんのサイドMCをやらせてもらったんですけど、MUROさんのヒップホップに対する姿勢を見ているうちに、時代に合わせようとするのが恥ずかしくなって、それからは流行や人の意見を気にするのはやめました」

 09年にソロ・アルバム『NEWGIGANTE』をリリースし、その後、プロデューサーであるHIMUKIと〈KGE & HIMUKI〉を結成。その一方で、さまざまなアーティストの作品に参加することで“客演キング”としても注目を浴びる。

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