『HiGH&LOW THE GAME』 クリエイター陣が語る制作までの愛と労

――ファンとしては、ガチャで出てくる「スチル」で見たことのない場面写真がたくさん出てくることにも驚きました。

D これはひとえにHI-AXさんなど各事務所のみなさんのご厚意によるところですね。企画初期は「あまり原作を侵食しないように」という気持ちもあって、実装数を少なく考えていたんです。でも途中から大幅な使用OKが出たので、現在のように数多くのスチルを提供できるようになりました。あらためて感謝をお伝えしたいです。

――太っ腹ですね。逆に、ゲーム化をするにあたりHI-AXさんから何かリクエストされたことはあったんですか?

D それはいろいろとあるんですが、一番驚いたのはテッツ役の佐藤寛太さん(劇団EXILE)から直々にアイデアをいただけたことですね。「こういうバトルをしたい」「こういう必殺技が見たい」と、テッツ以外のキャラについてもいろいろ出していただきました。

P 佐藤さんがすごくゲーム好きらしくて「ちょっと考えてみたんで、聞いてください!」と上がってきたのをいただきました。

D Wordで6ページくらいありましたよね。

P 入れたいものがいろいろあったんですが、現状の仕様では実装できなかったので、今後実現できたらいいなと思ってます。

――テッツ直々のWord、読みたい! 演者の方からアイデアが挙がるのは、ハイローメソッドですもんね。では、そのほかに、ゲーム化に際して気を使ったのはどんなところですか?

D 「プレイヤーの皆さんに何を体験してもらうか」という点です。映像作品がゲームになると、「プレイヤーが操作する」というインタラクティブな部分が追加されます。そこはどうしても多かれ少なかれ違和感は出てきてしまう。原作の「らしさ」とゲーム性のバランスのとり方は難しいところでした。

 それに、ゲームをプレイする方は多分、みなさん原作を一度は見ているじゃないですか。だから、そのままストーリーを入れるのはどうなんだ? という話もあったんですが、結果として「以前のシリーズを見返す感じがしてよかった」という声をいただいているので、ありがたいですね。

P テキストに起こしたことで、映像作品ではわからなかったところに気づけるという評価もいただいていて、嬉しいです。

――MUGEN と雨宮兄弟の対決シーンで「あるのは、拳を振るう音と息づかいだけだ」というテキストが出てくるじゃないですか。めちゃくちゃエモ~!?ってなりましたよ。文字になると伝わる情景がまた変わってきて、「ハイローを読む」という新感覚を味わえます。

 一方で、『HiGH&LOW THE GAME』はアクションゲームなので、各キャラクターに得意技があるのも面白いです。「このキャラクターの得意技はこれなのか!」という驚きや新鮮さがあります。アクションでもっともこだわったのはどこですか?

D ジャンプパンチです! アクションゲームを作るときには、「バトルシステム」と「技」の2軸が走るんですけど、今回は僕ともうひとりのプランナーで「どこから作る?」「やっぱりジャンプパンチでしょ!」と盛り上がりました(笑)

――私たちもハイロー関連の研究本を制作した際に、多くのライターやハイローファンの人の話を聞く機会があったのですが、「ジャンプパンチ」について熱く語る人は初めて見ました。

D いや原作を見ていると、やたらとジャンプパンチが出てくるんですよ! ドラマシリーズでのMUGEN vs 雨宮兄弟で広斗が使っていたり、『END OF SKY』の日向 vs 村山でも村山が使っていたり。だから「多分これがハイローの魂なんだろうな」と解釈してました。

――すごい解釈ですね!

D 最初にモーションデザイナーからは他ゲームのジャンプパンチのモーションをベースにした動きが上がってきたんですが、「そうじゃない! HiGH&LOWのジャンプパンチはとにかく胸を張るのがすべてなんだ!」とリテイクを重ねました。

――確かに、MUGEN 戦での広斗のジャンプパンチはめちゃくちゃ胸張ってる! 言われるまで気づきませんでした……。ゲーム制作のプロならではの着眼点で面白いです。

P でも結果として相手の頭上を飛び越しちゃう場合が出てきて、「これ、当たらなくない?」ということでさらにリテイクを出しました。

D 開発としてもうちょっと冷静になるべきだったと反省してます!

――さらに必殺技といえば、一部ファンの間で大ウケだったのが九十九さんの「車蹴り」です。『END OF SKY』のあの名シーンをまさかゲームにぶっこんでくるとは、とびっくりしました。

D デザイナーから絵コンテが上がってきたとき、「さすがにやりすぎかな?」って話していたんです。「でも試しにこういうのも提出してみようか」ってLDHさんに出したら「いいね!」と言っていただいて、我々のほうが「ここまでやってもいいんだ!?」と驚きました。

こちらが実際の絵コンテ。やりすぎくらいがちょうどいいのがハイローである。

――まさに「想像以上」ですね。

D それと、ファンの方に注目していただいて嬉しかったのが、村山が頭突きのあとにおでこをさするモーションですね。「技としては無駄な動きでは?」という話もあったんですけど、「これはどうしてもやらせてください!」とお願いしました。

P 頭突きが相手に当たらなくてもおでこをさするので、「それはどうなんだ?」というのは気になったんですが(笑)、原作で大事な動きなので入れよう、となりましたね。

些細なアクションにもキャラクターの個性が生きている。

D 本当は、まだ配信しているストーリーは『MOVIE1』まで至っていないので、あの技が出てくる時系列じゃないんですよ。日向の腕ひしぎもそうです。原作のどのタイミングで出てきた設定や技なのかというのは大事にしてるんですが……。

P それでもやっぱり特徴的な技を入れたかったので、そこは一旦時系列を無視しました。

D 今後の追加キャラでは時系列に注意しつつ、「あの技だ!」と思っていただけるモーションを積極的に追加していきたいと思ってます。

――今回、取材の資料としていくつかの必殺技の絵コンテを拝見しましたが、映像の場面写真としっかり照らし合わせながら作ってるんだ! と感動しました。たとえば劉の剣回しのシーンなんて、映像とコンテを並べてみると再現度が高いな、と。

A やっぱり剣を使っている劉のかっこいいシーンというと、剣を振り回してバシッと決める登場シーンじゃないですか。ここは特徴的なのでぜひ入れたいなと思いました。なので、技を終えて着地した後にこの動作をしてガチッと決めてもらおう、と。

――そうした細かいアクションひとつひとつに熱量を感じられると、プレイする側も手持ちのキャラクターにすごく愛着が湧きますね。それと、ゲーム性というところでいうと「心・技・体」という属性の設定がありますよね。あれはなぜ「心技体」なんですか?

D ゲームの中の用語を決めるときに、「3すくみの名前をどうしようか」と考えるところから始まりました。たとえばファンタジー系のゲームだったら「火・水・風」みたいにできますが、現実世界が舞台のハイローではそういう名前にすると意味がわからなくなってしまいます。

 そういう理由で、最初の段階から「心技体」は候補になっていたんですが、ハイローは「心の強さが力になる」という描き方をしているイメージがあるじゃないですか。だから心属性が強く見えてしまうかな? という点で迷っていたんです。

――ハイローの世界観を完全に内在化していますね!! 言われるまで、そのパワーバランスには気づきませんでした。

D 結局そのまま採用しましたが、ユーザーのみなさんがすんなり受け入れてくれて安心しました。

――ファンの間では「轟一派の3人が心技体それぞれに振り分けられているのが最高」という感想がありました。

D 前提として「定時制の3人はみんな一緒にしよう!」というのがベースにありました。ゲームの設計上、「チームを超えていろいろなキャラを育てて編成してほしい」という思いがあったので、作中でも特に一緒に行動するシーンが多い定時制の3人を同じ体属性に割り振り、「敵が心属性のステージは鬼邪高定時で!」といった使い方を想定していました。

 最初は轟一派も同じく統一して「全員心属性、定時には弱い」としようかと一瞬思ったのですが、「でもドラマシーズン2の轟編で古屋と関はやられちゃったからな……」という気持ちもあり、一枚岩の定時とまだできて間がない全日、という対比と「3属性揃う一派も作る」というところで設定を行いました。

鬼邪高のファンを唸らせた定時と全日の心技体バランス。

――原作の設定やエピソード、解釈をそこまで反映してゲーム化するのは、さすがに珍しいことなのでは?

D あんまりやらないとは思います。そこまで緻密にやるのはなかなか難しいですから。でもハイローは「全員主役」が大前提なので、そこをある程度担保しましょうというのはプロデューサーとも話していました。

――「ザゲ」のキャッチコピーも「ゲームでも全員主役。」ですもんね。

D ほかのゲームの作法になぞらえると、やっぱりコブラみたいな主役級はレアリティがすごく高くて、それを持ってないと事実上勝てない、といった作り方にすることがあります。『HiGH&LOW THE GAME』にもそういう部分はあるんですが、それってやりすぎるとほかのキャラのファンの方が「ウチの推しは冷遇されてる……」と思ってしまうじゃないですか。端役のような立ち位置のキャラクターだとしても、応援しているファンの熱量は変わらないと思うので、「全員主役」をなるべく叶えるための落とし所を探りました。結果、必殺技がついているSPキャラとそうでないキャラでのパラメータ差が、ほかのゲームに比べると少なくなりました。

――それは本当にありがたいです。SPキャラじゃなくても推しは編成から外せないので……。今後の新キャラや新スチルの投下も楽しみですね。個人的には早く『END OF SKY』まで突入してもらって、源治やジェシーをゲットしたいです。EXILEや三代目でチームを編成できたりしたら、また違った楽しみ方が生まれそうです。

D でも源治さんが入ったら、羽織りの裾のモーションが大変すぎてアニメーターは苦労しそう……(笑)

A 考えるだけで恐ろしいですね。ひらひらしている衣装は動かし方に注意が必要なので……。でも、みなさんに喜んでいただけるなら、いくらでもやりますよ!! やっぱりキャラクター性を出せるところはできるだけ出していきたいし、原作の再現もしていきたいので。そしてユーザーの方に細かいところに気づいていただきたいです!

D じゃあこれからもどんどんオーダーしよう(笑)。

――最後に、ファンとしては今後の展開が気になります。10月に公開された新作映画『HiGH&LOW THE WORST』でも新キャラが続々と投入されましたし。

A 僕は劇場で見ましたけど、もう興奮して!

D 早く小田島を実装させてくれと?(笑)

P 小田島ずるいよね~。ありゃかっこいいよ! 僕たちとしては、これからもファンの方に楽しんでいただけるようゲームを盛り上げていこうと思います。このゲームは、アプリゲームに馴染みのない方でも、ハイローの世界を思う存分楽しんでいただけるんじゃないかと思うので、まずは試しにダウンロードしてオープニングの「ハイグラ」だけでも見てほしいです!

――確かに、あれを見るだけでもダウンロードする価値があります。初めて劇場で「ザム」を見たときの興奮が蘇るんですよ! ハイローファンとしての初心を思い出させていただいて、感謝してます。

P ハイローファンの方は熱い感想をたくさんくださるので、こちらこそ感謝してます!

D これからも何かご要望があれば遠慮なくじゃんじゃん言っていただきたいです。ファンの方々の声を聞いて、さらに強いゲームになれればと。

――「痛みを知って強くなる」を地でいってますね。こんなに熱い現場で作られているとは知りませんでした。これからの展開、本当に期待しています!!

アプリのダウンロードはこちら!
「App Store」 <https://app.adjust.com/q93omk1
「Google Play ストア」 <https://app.adjust.com/vifel6h

<ゲーム詳細>
「HiGH&LOW THE GAME ANOTHER WORLD」

ドラマ、映画、音楽、ライブ、テーマパーク、SNS、マンガなど、さまざまなメディアを横断する総合エンターテインメント「HiGH&LOW」が初のアクションゲーム化を遂げた。ストーリーモードでは、現在ドラマシリーズの第一弾をなぞらえたストーリーを展開中。ド派手なアクションで敵たちをなぎ倒す爽快感がたまらない。また、アクションだけでなく、ハウジングシステムも導入し「自分だけのアジト」を作る楽しみも!

公式サイト:https://high-low-thegame.com
公式Twitter:https://twitter.com/HiGHLOW_THEGAME
公式Instagram:https://www.instagram.com/highlow_thegame/

※ 本記事はPR記事です。

斎藤岬(さいとう・みさき)
1986年、神奈川県生まれ。編集者、ライター。
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