サイゾーpremium  > 特集  > 裏社会学  > 【正義】を掲げない現代仮面ライダー
第1特集
平成・令和仮面ライダーが表現する現代の“悪”【2】

まるでYouTuberみたい!? 今や“正義”を掲げない現代仮面ライダーの姿

+お気に入りに追加
2205_P056-059_img002_200.jpg
『ヒーローと正義』では、日本古来のヒーローの分析から始まり、善と悪は対立概念なのか、ヒーローとはどんな存在なのかといった事柄について考察されている。

平成・令和仮面ライダーが表現する現代の“悪”【1】」の最後に触れた『ヒーローと正義』の著者である白倉伸一郎氏は、『仮面ライダークウガ』にプロデューサー補として参加し、その後平成前期9作品のうち7作でチーフプロデューサーを務めた平成ライダーシリーズの立役者といえる人物だ。

同書にて白倉氏は『クウガ』について当時国会に提出された少年法改正案を引き合いに出しつつ、第35話「愛憎」で主人公・クウガが少年怪人に激しい怒りをぶつけてとどめを刺すエピソードを紹介。少年犯罪が凶悪化したとされていた風潮に対する同作のメッセージ性の高さを評価した上で、クウガを「管理社会的秩序を、強く志向する」存在とし、正義が善きことを為す勧善から、悪に制裁を加える懲悪の方向にシフトしつつある世相を論じる。こうした自シリーズのヒーローが掲げる正義の相対化と分析こそが、平成前期シリーズに革新をもたらしていたのだろう。

かたや、切通氏は平成前期から後期にかけてのヒーロー像の変化を指摘。平成前期の主人公が戦いを通じて自身の生き方を見つけていく一方、平成後期の主人公の多くは最初から壮大で荒唐無稽な夢を抱えた若者として登場する。『仮面ライダーフォーゼ』(11年)の主人公・如月弦太朗は自身の通う高校の「全員と友達になる男だ」と叫び、『仮面ライダージオウ』(18年/白倉氏もプロデューサーとして参加)の主人公・常磐ソウゴも「俺には王様になりたいっていう夢がある」と口にするのだ。切通氏によれば、これは若年層に人気を博し、「好きなことで、生きていく」というスローガンを掲げたYouTuberの姿とも重なるように見えるという。

こうした主人公の姿はある種の危うさも抱えるが、劇中でなかなか深掘りされていないと切通氏は嘆く。“正義”ではなく“夢”を掲げるようになった現代のヒーローをどう描くのか? そんな観点からも同シリーズの今後に注目したい。

(文/蜂須賀のぼる)

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年4・5月号

バーレスク東京・ももグラビア

バーレスク東京・ももグラビア

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ