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第1特集
仕掛けるのは広告代理店? それとも戦コン?

「日本はSDGsをやらされてる」運動を推し進めるプレイヤーたち

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――大企業や投資家を中心に、世界でSDGsの機運が高まっており、アクセンチュアなどの外資系戦略コンサルティングファームに相談が舞い込んでいるという。私たちの生活を変革しつつあるように見えるこの運動のキーマンたちは、それぞれどのように現状を見ているのだろうか。

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目下、自動車産業ではいかに電気自動車でイニシアチブを握るか、過酷な競争が繰り広げられている。(写真/GettyImagesより)

SDGsという言葉が日本社会に一気に広がったのは、21年の初夏頃からだろうか。それまでネットメディアや社会活動家、一部の文化人などを中心に取り沙汰されていたキーワードだったが、いつのまにかテレビを通じて広く露出するようになった。TBS『地球を笑顔にするWEEK』、フジテレビ『楽しくアクション! SDGs 滅亡させない 地球の作り方』、日本テレビ『Good For the Planetウィーク』、テレビ朝日『人をつなぐ 未来につなぐ』、NHK『SDGs 未来へ17アクション』などなど、ここ数カ月で地上波キャンペーンの数も一気に増えた。

またSDGs関連の新たなビジネスも散見される。「SDGs研修」や「SDGs社内教育」、「SDGs戦略立案」などを請け負う企業が増えているのがその一例だ。同様に自治体や学校など公的なシーンでも、SDGsを標榜したプログラムや登録認証制度が次々と展開され始め、企業のあり方やひいては我々の生活さえも変えようとしている。

ここで、簡単にその特徴と用語を少しだけ整理しておきたい。

まず、SDGsは貧困撲滅、教育機会の平等、健康&安全なライフライン、ジェンダー平等、平和、働きがいと経済成長の両立、技術革新などなど実に多様な領域にフォーカスしているのが特徴だ。端的に言うのであれば、2030年に向け「世の中にとって良い行い」をしていこうという“人類の行動指針”と捉えて差し支えない。日本の場合、プラスチック削減や食品ロスなど環境問題に偏っている感が否めないが、そもそもSDGsの実践に正しい解釈や答えはない。各プレイヤーがそれぞれの立場から考えて行動することが求められるという点で、“やらされ待ち”スタンスには難しいお題となっている。

SDGsムーブメントを動かすプレイヤーたち

さて、SDGsを取り巻く市場にはさまざまなプレイヤーが参加している。その最たる主人公のひとつが各企業だ。そして戦略コンサルティングファーム(以下、戦コン)、広告代理店、NPO&NGOなどがサポート役として企業の脇を支えており、投資家、金融機関、消費者が評価役として待ち構えている。

世界的な潮流をみるに現在、グローバル企業を中心とした大企業は、自社の製品やサービス、もしくはその製造・流通・消費過程が単純に利益をもたらすかどうかではなく、地球や社会にとって好影響をもたらすものかどうかの再考や、経営体制そのものの再整備を迫られている。

これまで企業にとってそうした社会貢献は、寄付やCSR、もしくはメセナなどの言葉で語られてきた。そのいずれも、企業にとっては支出であり、経営的にはマイナス要素でしかなかったが、「今後は利益と社会への好影響を上手く組み合わせてこそ、真のリーディングカンパニーだ」という風に世の中の視線が変化してきている。もちろん、その背景にSDGsという世界的な共通認識が一役買っていることは言うまでもない。戦コンや広告代理店、NPO&NGOなどは、そんな企業の“変身”を手伝う立場にあり、投資家や金融機関、消費者はその実効性を評価しお金を出す、もしくはサービスを消費するようになりつつあるという構図がある。

なお、本特集記事「海外ではワードが浸透していない 日本でSDGs一大ブームの理由」でも説明があったとおり、SDGsを落とし込んだ企業の経営は、「ESG経営」や「サステナブル経営」と呼ばれ、SDGsを頑張っている企業に対し個人投資家やファンドが投資を行う行為は「サステナブル投資」という言葉で括られている。

このサステナブル投資は、社会への好影響と収益の両立を目指す「ESG投資」、収益よりも社会への良い影響に、より評価の重きを置く「インパクト投資」、また悪影響を及ぼす対象を投資先から除外する「ネガティブ・スクリーニング」など、さらに細分化されている。企業をSDGsを中心に評価するような消費行動は今後、もしかすると「サステナブル消費」などと呼ばれることになるかもしれない。

ちなみに、ESGとは従来通り財務状況に併せて、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)など、世界の持続可能性と企業の長期的成長に資する要素を併せて考える意味合いを持つ。SDGsが社会的な用語だとすれば、それに対応するビジネス用語がESGであると理解しても、大きく的を外れてはいないだろう。

なお日本企業におけるSDGsの経営方針への落とし込みやESG経営は、欧州の先進企業と比べて立ち遅れているという認識が一般的だ。しかし、ここ最近は連日連夜のお祭り状態。この錯綜状況の裏には、どのような実態が隠されているのだろうか。本稿では、このムーブメントに関わるプレイヤーたちに取材し、SDGsという言葉だけではわかりにくい、実情を探った。

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