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第1特集
K-POPとビッグメゾンの蜜月【1】

BLACKPINK、BTS……K-POPとビッグメゾンの蜜月

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今年4月、世界で大人気のBTSがルイ・ヴィトンのハウス・アンバサダーに就任。同ブランドのインスタグラムより。

――世界的に人気のBLACKPINKのメンバー4人は、それぞれ名だたるハイブランドの“グローバル・アンバサダー”を務める。また、BTSも今春、ルイ・ヴィトンのアンバサダーに選ばれた。かようにK-POPアイドルとビッグメゾンが手を組む事例が増えているが、双方にどんなメリットや思惑があるのか――。

ビッグメゾン(ハイブランド)がこぞってK-POPアイドルをアンバサダー[註:ブランドと長期契約を結び、イベントやキャンペーンなどを通じてその魅力を伝え広めるイメージキャラクター]に起用している。その代表格は、2016年にデビューし、今や世界に数多くのファンを抱える4人組女性グループのBLACKPINKだ。メンバーのジェニーがシャネル、ジスがディオール、ロゼがサンローランおよびティファニーのグローバル・アンバサダーを務めているほか、リサは特に際立つ美貌と4カ国語が堪能という語学力を強みにセリーヌ、ブルガリ、M・A・Cと契約している。

“アンバサダー”といっても、主にローカル向けに各国の人気者を起用することはよくあること。日本ではルイ・ヴィトンのアンバサダーを高畑充希や広瀬すずが務めたこともあった。

そんな「アジア人はローカル限定」という“お約束”を最初に崩したのが、男性グループBIGBANGのG-DRAGONだった。14年頃から当時シャネルのデザイナーを務めていた故カール・ラガーフェルドと親交を深め、欧米のファッション業界で一目置かれる存在となった。そして、16年からはシャネルのハウス・アンバサダーを務めている。

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16年からシャネルのアンバサダーを務めるG-DRAGON(ブランドのインスタグラムより)

13~17年に「NYLON JAPAN」副編集長を務めた後、BIGBANGやBLACKPINKを要する大手芸能事務所YGエンターテインメント(以下、YG)のクリエイティブ・ディテクターを経て、同社から独立したクリエイティブ・プラットフォームAXISの取締役を務める深田芳李氏は、このように話す。

「私が『NYLON JAPAN』にいた頃、G-DRAGONに関しては『どんなアイテムとでも組み合わせ自由、彼の好きなようにしていい』とシャネルのグローバル・チームは各国のセクションに伝達していたんです。日本人でそんな例は聞いたことがありません」

しかし、当時はフランスのメゾンの“顔”がアジア人になったことに対して、人種差別的な議論が巻き起こったことも事実である。かつて欧州のハイブランドは自国の女優を起用することが当たり前だったからだ。

フォロワー数がケタ違いのスーパーインフルエンサー

そんなビッグメゾンの欧米中心主義を大きく覆したのが、SNSの存在である。14年にインスタグラムの月間アクティブユーザー数が3億人を超え、ファッションのお手本となるのがモデルではなくインスタグラマーに置き換わっていった。

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グッチとのコラボ商品も発売されたEXOのカイ(ブランドのインスタグラムより)

韓国では日本よりもさらに著しく雑誌の販売部数が落ちている。その中で「ELLE」「VOGUE」「W」といった海外ライセンス誌は根強く生き残っているが、発行部数は非常に少ない。モノが売れなくなった時代、ビッグメゾンもアイドルのSNSの影響力を無視できないものとなったのである。

K-POPアイドルのインスタグラムのフォロワー数を見ると、米ビルボードのシングルチャートで4度も1位を獲得したBTS(防弾少年団)は4503万人、BLACKPINKは3901万人、G-DRAGONは1980万人、ほかのアイドルも1000~2000万人クラスがザラにいる。日本では一番多いといわれる渡辺直美でも953.7万人(すべて21年7月初頭現在)。K-POPアイドルはケタ違いにフォロワー数が多い。

というのも、もともとK-POPアイドルはSNSでの発信に力を入れてきた。その状況について、韓国の雑誌社で勤務したことがあり、著書『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』(朝日出版社)を持つグラフィックデザイナー/ライターの田中絵里菜氏は、こう解説する。

「K-POPアイドルはインスタグラムやツイッターなどいくつかのSNSアカウントを巧みに活用し、公式のお知らせだけでなくプライベート写真をアップしたりファンと交流したりと積極的に発信してきました。また、YouTube上のミュージックビデオ(以下、MV)には数カ国語分の字幕が付いています。ファンが自主的に字幕を付けることもあり、韓国語がわからない人でも幅広くコンテンツを楽しめる。そのため、K-POPにそこまで詳しくない海外のライト層もフォロワーとして取り込んでいるんです」

実際、ルイ・ヴィトン公式インスタグラムがハウス・アンバサダーを務めるBTSの写真を4月23日に投稿したところ、118.1万もの「いいね」が付いている。なお、同じアカウントで20年1月に投稿されたローラの写真には11.1万、広瀬すずには13.8万、三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典には9.6万の「いいね」しか付いていない。

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