サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 【中国アート】市場の成熟度

――「アート・バーゼル香港」がアジア最大のアートフェアとして機能し、上海では大型の美術館が次から次へと建設されているが、2018年には草間彌生の“贋作”展覧会が開かれたと報じられ、物議をかもした。一体、中国のアートをめぐる環境はどうなっているのか? 市場と政策の観点から、その実態を見ていこう。

1908_P066-067_01_320.jpg
発電所を改築した上海当代芸術博物館。(ホームページより)

 現在、中国の美術市場は、アメリカ、イギリスに次ぐ3位――とりわけ現代美術に関してはアメリカに次ぐ2位の規模を誇るなど、急成長を遂げている。盛り上がりを見せているのは、マーケットだけではない。2012年、中国初の国営現代美術館である上海当代芸術博物館(開館以来、上海ビエンナーレのメイン会場となっている)と、個人コレクターによる民営美術館である龍美術館西岸館がオープンした上海では政府主導の下、上海万博の跡地に隣接する「西岸地区(ウェストバンド)」を文化地区として再開発することが推し進められ、ギャラリーの招致や美術館の建設ラッシュが続いている。実際、上海はアートの新興都市として世界的にも注目を浴び、ペロタンやリッソンなどいわゆるメガギャラリーが出店。加えて、徐震(シュー・ジェン)、陸揚(ルー・ヤン)、胡為一(フー・ウェイイ)といった世界的に活躍する作家も上海から登場している。それにしても、なぜ中国でアートが盛り上がっているのか、その市場と国の政策はどのように絡み合っているのか――。ここでは、芸術文化産業に関する造詣が深く、自身もアート・コレクターである弁護士の小松隼也氏に話を聞きながら、中国のアートをめぐる現状について考察していきたい。

「まず、中国のアート市場を支えているのは、言うまでもなく同国の経済成長で生まれた富裕層たち、および海外留学の経験などもある富裕層の子息たちからなるコレクターです。土地の所有が認められていない中国において、アート作品は当局の制約をもっとも受けない投資物件のひとつ。しかも、市場は世界のマーケットと連動し、作品の価値は大体安定している。そうやって投資対象としてアートを見ているうちに、だんだんアート自体が好きになってハマった、という中国人コレクターはかなり多いようです」

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2020年2月号

新しいニッポンのタブー

新しいニッポンのタブー
    • 暴力団だけじゃない【反社】の定義
    • 【山口組分裂】報道の最前線
    • 【嵐】休止後の芸能界にタブーはあるか?
    • 本当の【氷川きよし】論
    • 【社会学者】きーちゃんを苦しめる疑惑フォーマット
    • 【湯山玲子】ミサンドリー時代に合った戦略
    • 【音楽学者】芸能の性別越境を回復する存在に
    • 【丸屋九兵衛】ヒップホップときよしの交差点
    • 【ANARCHY】初期衝動を落とし込んだ映画
    • 【SEEDA】ラッパーの禁忌な生き様を描く
    • 世界の過激な【保守派リーダー】
    • 【元芸人】が政治の世界に進出するワケ
    • 【アナ雪】ステマ問題ほんとの戦犯
    • 時代を先取りする【新・麻薬王】の肖像
    • 【医療観察法】の知られざる実態

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。

川瀬もえ、エロくてキュートで清らかに。
    • 小悪魔【川瀬もえ】が脱ぐ

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 表紙/華村あすか「イオンで十分なんです」
    • 【桜田茉央】ミスマガ受賞者の箱入り娘
    • 【AV界】期待の新人セクシー下着
    • 【鈴木ふみ奈】タレントと企業のカンケイ
    • 【増田と鷲見】のラブゲーム
    • 【AI】がインターネットを根底から揺さぶる
    • 【五所純子】「ドラッグ・フェミニズム」
    • 【萱野稔人】"殴り合い"はなぜ人間的なのか
    • 機構影響を受けぬ【雪まつり】
    • 【丸屋九兵衛】キアヌ・リーブスを語る
    • 【町山智浩】「リチャード・ジュエル」FBIとマスコミの欺瞞
    • 【薬物事件】をめぐる刑罰と報道の問題点
    • 小原真史の「写真時評」
    • 笹 公人「念力事報」/ゴーンの大脱出
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/「アナと雪の女王」にモヤる理由
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 大手ビールメーカー出身者が【ブルーパブ】を開業
    • 更科修一郎/幽霊、闘争で情念を語る少年マンガ。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』