サイゾーpremium  > 連載  > アッシュ・ハドソンのアングラ見聞録【30】/【処方薬でキマる】アメリカ薬物事情

――カメラマン・デザイナー、そして親日家としても知られるアッシュ・ハドソン。そんな彼が自らが体験した日本の“アングラ文化”を詳細にレポート。

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 一般的にドラッグについて語ることはタブーで(検証や警鐘については本誌で多く扱っているが)、基本は親しい間柄だけで話す話題だ。俺の周囲にいるヤツらもドラッグについてはおおっぴらに語らないし、ましてや中毒だなんて語ることもない。行政だって自分たちのコミュニティでドラッグの問題があることは黙っていたりする。しかし、ドラッグの問題が歴史上、長い間存在していることは周知の事実だ。

 最近アメリカでは処方箋薬のザナックスやメタドンが手軽に入手できることで、乱用者が年々増加している(ザナックスは抗不安薬、メタドンは鎮痛剤)。また、相変わらずエクスタシーやコカイン、クリスタルメス(覚せい剤)なんかのハードドラッグも広く流通しているのが実情だ。俺が思うに、日本もクリスタルメスをやっている人は多い気がするが、アメリカにおけるドラッグ常用者の数は日本の比じゃない。アメリカが日本にも増して、さまざまなプレッシャーや格差社会でストレスを抱えることが一番の原因かと思うが、価格の安さも要因のひとつだ。では、具体的な値段はいくらか。ロサンゼルスでコカインは1グラム約5500円なのに対し、日本では 2万2000円前後。同じく覚せい剤は1グラム約4400円なのに対して、日本ではコカイン同様の価格帯となっていて、日本におけるハードドラッグの価格がいかに高額なのかが一目瞭然だろう。

 ハードドラッグだけでなく、近年アメリカの多くの州で医療用と嗜好用として解禁されてきているマリファナも、ロスでは1グラム約1100円、日本では5500円と、大きく違う。しかもカリフォルニアでは嗜好用も合法化されたので、18歳以上であれば法に触れることなくマリファナを専門ショップで買うことができる。もちろん医療用としても、緑内障や不安症などの軽減を目的に、ごく普通の高齢者もマリファナを吸う。

 アメリカと日本ではドラッグ所持の罪の重さがまったく違う。俺の地元のカリフォルニアに限っていえば、ドラッグ所持で捕まると、初犯は軽犯罪として扱われ、罰金や地域奉仕などで済むことが多い。しかし、日本では量刑は薬物の種類ごとに違うようだが、執行猶予付きの自由刑判決になることもある。

 ドラッグの使用は周りからの信用をなくすばかりか、ハードドラッグの使用を続ければ、その体を蝕む。俺はドラッグなんかなくても、酒を飲んでセクシーな女の子と楽しいことできれば、それで幸せだ。ドラッグに依存せず、法に触れないレベルの趣味を持ち続けるってのは、実に素晴らしいことだと思う。

アッシュ・ハドソン
1972年、ロサンゼルス生まれ。ガンズ&ローゼズのギタリストであるスラッシュを実兄に持つ。幼少期からグラフィティ・アーティストとして活動を始め、自身のブランド〈コナート〉を立ち上げる。親日家として知られており、近年は新たなクロージングライン〈アッシュ・コレクション〉のデザイナーや、カメラマンとしても広く活躍している。インスタグラム〈@ashfoto〉

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