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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

マッカーサーと昭和天皇(1)

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散歩する昭和天皇と娘の孝宮。(サン・ニュース・フォトス/1945年/著者蔵)

 あと数カ月で平成も終わろうとしているが、昭和が終わった日のことは、よく覚えている。当時小学生だった私は、友人のA君宅で昭和天皇崩御のニュースをひとしきり見た後にテレビゲームで遊び、夕方帰宅した。夜になってその友人宅から電話がかかってきて、対応した親から話の内容を教えられた。どうやら天皇崩御についての私の態度が「不敬」だったことへの叱責だったようだ。父親か母親のどちらからだったか、特に怒られるわけでもなく、淡々と内容だけ伝えられたように記憶している。友人宅での私の態度がどんなものだったのかは、覚えていない。しかし、そのことについてなぜA君の母親からこのような形で間接的に叱責されねばならないのか、と憤りを覚え、その家からはなんとなく足が遠のいてしまった。私にとって昭和の終わりと平成の始まりは、そんなほろ苦い記憶と共にある。

 昭和天皇の崩御が1月7日だったため、その年の正月も連日テレビや新聞では容体についての報道が続いていた。しかしながら、年初におけるマスメディアでの天皇やその家族についての報道は、その年だけの例外ではなく、皇居での一般参賀の報道を含め、もはや慣習ともいうべきものになっている。

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