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大石始のマツリ・フューチャリズム【32】

国境、民族、時間を超越した祝祭の歌――知られざる「まつり」話

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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『風雪ながれ旅/北の漁場/まつり』(日本クラウン)

 去る大晦日に行われた「第69回NHK紅白歌合戦」はサザンオールスターズや松任谷由実の出演、米津玄師のテレビ初歌唱などが話題を集め、関東地区で41.5%の平均視聴率を記録(ビデオリサーチ調べ)。これは前年の39.4%を上回り、平成最後の紅白にふさわしい好記録となった。そんな今回の紅白で注目されたのが、久々の出演を果たした北島三郎だ。北島は1963年に紅白初出場。以降、紅白というハレの場を象徴する存在であり続けてきた。13年には史上初の50回出場を達成し、それを機に紅白からの卒業を宣言。以来、5年ぶりとなる今回の出演は企画枠での登場となったが、弟子である北島兄弟(北山たけし・大江裕)を従えて堂々たるステージを展開し、番組のピークタイムを作り上げた。

 おそらく北島にとって最後となるであろう紅白出演。その場で選ばれたのが、北島の代表曲「まつり」だった。この曲は過去6回、紅白で披露され、番組の大フィナーレとして豪華絢爛な祝祭空間を作り出してきた。そのため、〈紅白の北島三郎=まつり〉というイメージを持つ方も少なくないだろう。

 84年11月にリリースされた「まつり」の作詞はなかにし礼が担当。作曲は原譲二とクレジットされているが、これは作詞作曲を手がける際の北島のペンネームである。歌詞には豊作を祝う「豊年祭り」や、海の神への感謝を捧げる「大漁祭り」が盛り込まれているものの、軸となるのはあくまでも語り手である北島の視点と美学。「涙と汗こそ男のロマン」という一節には、祭りに挑む男たちのダンディズムも凝縮されている。そんな美学と紅白の舞台に立つ北島の心境が一致するからこそ、この曲はたびたび紅白という大舞台を彩ってきたのだろう。

 また、80年代は森進一「冬のリヴィエラ」など演歌の新境地を開拓するヒット曲がたびたび発表されたが、この「まつり」もまた、ムードや歌詞の世界観を重視してきた演歌にグルーヴを持ち込んだ画期的な曲だった。イントロから鳴り響く印象的なドラムパターンは祭り囃子を模したものとされ、紅白の舞台でも青森の「ねぶた」のイメージなどと重ね合わされてきた。いわばこの強烈なグルーヴは日本的情緒を演出するものとして機能してきたわけだ。

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