サイゾーpremium  > 連載  > 伊藤文學の薔薇族回顧譚【2】/ひとりぼっちたちを繋ぐ【薔薇族】の誕生
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伊藤文學の薔薇族回顧譚【2】

【薔薇族回顧譚】『ひとりぼっち』たちをつなぐマガジン――「薔薇族」の創刊

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――日本初のゲイ雑誌「薔薇族」創刊編集長が見た、ゲイメディアの勃興とその足跡をたどる

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『ホモテクニック』は、男性同性愛者たち向け雑誌の潜在的需要を浮き彫りにした。

 同性を愛する人たちのための本を作ろう――。編集者・伊藤文學がそう考えたのは、1960年代末のことだった。秋山正美の執筆したマスターベーションの指南書『ひとりぼっち』シリーズに対して、「自分は同性を想わなければ性的快楽を得られない」という悩みが、読者から多く寄せられたことを受けての発想である。

 この直後、伊藤は秋山に女性同士の性愛についての原稿執筆を依頼。『レズビアンテクニック 女と女の性生活』というタイトルで刊行し、まずまずの成功を収める。

「レズビアンものなら、女性だけじゃなく男も買うだろうと思ったわけ。当時ストリップなんかでもレズビアンものは人気だったからね」

 まずは購買層を広く取るあたり、編集者らしい発想である。

 そしてこの次に作られたのが、男性同性愛者向けの『ホモテクニック 男と男の性生活』であった。筆者は引き続き秋山で、この本が第二書房史上ベスト3に入るほどの売り上げを叩き出したのである。

「雑誌『薔薇族』を出す前に、20冊は男性同性愛の本を作ったね。それぞれよく売れた。5000~1万人くらいの顧客はつかめている、という実感があった」

 だが当然ながら、表立ってこうした本を買うことに抵抗のある人も多い。そのため、下北沢にある第二書房まで直接本を買いに来る読者は後を絶たなかった。その多くは、出迎えた伊藤相手に切々と苦悩を語ったという。

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