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『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【39】

「いつまでも 見られると思うな 吉岡の肌」――【吉岡里帆】を脱がさないで

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『吉岡里帆』

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吉岡里帆の主演ドラマが絶望的な低視聴率。加えて週刊誌に掲載されたグラビアがヒドいと「吉岡たたき」が起きている。ちなみに「吉岡美穂」で画像検索をかけると吉岡里帆も混ざるようになってきており、時代の流れを感じさせられる。

 吉岡里帆がたたかれている! なぜだ!?

 純朴でつぶらな瞳。あどけない表情。健康的な白い肌。しかも現在は、出演ドラマの役づくりのため、黒髪のショートカットときている。パーペキ。思わず80年代に流行した、パーフェクトと完璧の合成語が飛び出すほどに男が好きな要素満載だ。

「カワイイはつくれる」などというCMフレーズがあったが、嘘である。いやむしろ、吉岡里帆のかわいさをつくれるという人がいるならば、連れてきてほしい。僕だけの吉岡里帆をつくってほしいから。

 ともかく、パッと思いつくだけでも嫌われる要素は見当たらない。担当編集も「正気を失うかわいさ!」「かわいい上に、おっぱいもでかいんですよ?」などと擁護していた。ただまあ冷静に考えて、こういう気持ち悪いおっさんが群がっているから、女性人気が落ちるのである。

 我々おっさんがムキになればなるほど、女性ファンが離れていくという悲しい構図。だからこそ、その穴を埋めるべくおっさんたちは協力し合って、より手厚く応援していかなければならない。だが、どうも今回の「吉岡たたき」を見ていると、ほかならぬおっさんが声を上げているようである。

 今、彼女がたたかれているポイントは2つ。1つ目は、現在放送中の『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)という「別れましょう私から消えましょうあなたから」みたいなタイトルのドラマが、低視聴率で爆死ということ。2つ目は、このドラマと7月に発売した自身の写真集の宣伝を兼ねた週刊誌へのグラビア出演に関するものである。

 テレビや雑誌の若者離れが著しい昨今、この界隈でゴチャゴチャ言うのはおっさんぐらいなものだ。協力し合わなければいけない大事な時期に一体何をやっているのだと、同じおっさんとして悲しい気持ちになってくる。だいたいドラマを見るときに「面白い/面白くない」で評価するからブレるのである。せっかく吉岡里帆が出ているのだから「かわいい/かわいくない」で見るべきだ。演出がどうとか、リアリティがどうとか関係ない。この手の話題で「戦犯は誰だ?」みたいな話も上がってくるが、そんなものは制作サイドでもましてや吉岡里帆でもない、彼女のかわいさを評価しない世間が悪いのである。もはや無差別テロの言い分だが、姫、いや神を守るためだ仕方がない。男だったら黙って「かわいい」を享受しろ! そんな声が聞こえてきそうである。まあ、それを言っているのは私だけだが。

 グラビアに関してもしかりだ。要は「水着じゃない」と憤っているのである。私も一通りチェックしたが、確かに以前に比べ、肌の露出は少ない。ただかわいさは健在だ。むしろ増している。それに、水着じゃないとはいえ、タンクトップにショーパン姿での胸元ショットなど、これはこれで有難い。色気すら感じられる。というか、これ以上一体何を求めるというのだろう。

「いつまでも 見られると思うな 吉岡の肌」

 こんなものは、親や金と一緒でいつまでもあると思っているほうが間違いなのである。吉岡里帆の水着グラビアは、もう見られないからこそ価値がある。交通網の発達により、行きたい所にはどこにでも行け、腹が減れば飲食店やコンビニは24時間対応、見逃したコンテンツがあればネットですぐに視聴できる。そんな簡単に欲求を満たせる現代社会において、我々はいつの間にか飢餓感というものを忘れてしまったのかもしれない。

 だいたいね、彼女自身、水着グラビアは仕方なくやっていたって言ってるわけじゃない。だったらここは、その震える背中にバスローブをかけるくらいの優しさを見せるのが、男ってもんでしょうよ。それに、そのほうが好かれそうじゃない。

 いや、わかっている。その優しさが彼女に伝わることも、ましてや好かれるなんてことも、私も大人だ、ないとわかっている。ただ、我々はもともと空襲に竹やりで立ち向かおうとしていた民族だ。無駄とわかっていながらも、突き出す竹やりに希望を込めてもいいではないか。万が一、彼女と対面することがあったときに「もう脱がなくていいんだよ。とずっと思っていました」と胸を張って言える自分を夢見て。

 若い女性のグラビアを見て「水着じゃない!」とわめくおっさんと、空に向かって一心不乱に竹やりを突くおっさん。どちらの生きざまが恥ずかしいか、胸に手を当ててよく考えてみてほしい。まあはたから見れば、どっちにしろ「健康でも文化的でもない最低な生活」であることに変わりはないのだが。

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
低視聴率とはつゆ知らず『健康で文化的な最低限度の生活』を結構楽しんで見ていた42歳独身男性。自身の感性に若干の不安を感じている。


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