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第1特集
女人禁制は日本だけじゃない

世界遺産でも女人禁制!?――伝統か宗教か観光か? 世界の女人禁制スポット

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――普段はあまり議論されない「女人禁制」が、沖ノ島の世界遺産登録や相撲をめぐるゴタゴタで話題になった。日本の悪しき伝統のようにいわれてもいるが、世界にも女人禁制スポットはたくさんある。そこで「女性差別」という目線だけで語られがちなこの慣習を、世界と比較しながら再検討していこう。

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(写真/Getty Images)

「女性の方は土俵から下りてください!」

4月4日、舞鶴市で行われていた大相撲春巡業の土俵の上で多々見良三市長が突然倒れ、女性の看護師が救助しようと土俵に上がったところ、行司が「女人禁制」を理由に土俵から下りるよう、会場で流れたのがこのアナウンス。その後、土俵を大量の塩で清めたという報道がなされ、さらに4月8日、春巡業の「ちびっこ相撲」の直前には日本相撲協会が、参加予定だった女児の参加を認めなくなると、これら一連の出来事は「女性差別だ」と大きな話題となり、また女人禁制というしきたりも注目を集めた。

 昨今、女性の社会的地位に対する議論が盛んな中で、伝統という名目上、いまだに女人禁制がまかり通るのかと思う人も多かったかもしれないが、慶應義塾大学名誉教授で文化人類学が専門の鈴木正崇氏は、今回の騒動について「相撲が前近代から受け継いだ土俵の聖域化にかかわる禁忌や慣習の問題で、近代的な『女性差別』の観点では割り切れない問題を含みます。大相撲の権威が高まり、土俵が聖域化していく過程で行司が『神事以前』のカミ祀りを取り込んだのです。しかし、マスコミの報道やSNS上での議論は、複雑で多岐にわたる慣習を『女人禁制』という強い表現で、一元的に拡大解釈して乱用してしまいました」と話す。

 女人禁制は女性差別とは違う……それでは宗教的な伝統、結界としての「女人禁制」というのはなぜ、今も続けられているのだろうか? 本稿では日本だけでなく、世界中の女人禁制のスポットにも焦点を当てながら、この慣習について考えていきたい。

きっかけは博覧会?女人禁制解除の流れ

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