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連載
大石始のマツリ・フューチャリズム【20】

まだまだ新たな可能性が眠る“アイドル音頭”――アイドルが音頭に没頭する背景

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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〈アイドル×音頭〉の親和性の高さは言わずもがな。しかし、昭和の時代に多く誕生した名曲アイドル音頭と比較すると、やはり近年は印象的な作品がないのも事実。

 祭り文化の未来像を探る当連載において、重要なテーマを取り上げることを忘れていた。“アイドル音頭”の系譜についてである。

 日本における最初のアイドルを誰に定めるかは諸説あるが、アイドル研究家の北川昌弘氏は『山口百恵→AKB48 ア・イ・ド・ル論』(宝島社新書)において、南沙織、小柳ルミ子、天地真理の新3人娘が歌手デビューを果たした1971年を、アイドル歌謡元年としている。以降、数多くのアイドルがデビューし、そんな彼女たちが歌うアイドル音頭が世に放たれてきた。

 そのリリース量が増えたのは80年代半ばのアイドル黄金時代以降。柏原よしえ「しあわせ音頭」をはじめ、堀ちえみ「Wa・ショイ!」、山瀬まみ「マイケル音頭」、忍者「お祭り忍者」、ソフトクリーム「コアラ音頭」などなど、挙げていけばキリがないほど。00年代に入ってからは、そうしたアイドル音頭黄金時代のスタイルを参照しながら、音楽プロデューサーのつんく♂が数多くの楽曲を制作。ハロープロジェクト所属メンバーのシャッフル・ユニットである10人祭「ダンシング!夏祭り」(01年)あたりを起点として、これまでにさまざまな楽曲を世に送り出している。

 アイドルが音頭と結びついた背景には、音頭そのものが老若男女になじみやすいリズムであることを筆頭に、季節柄、盆踊りや夏祭りという全国各地のキャンペーンの場が確保されていたことも大きい。70年代以降、アニソン音頭やコミック音頭のリリースが急増したが、大手レコード会社が各地の盆踊り保存会と連携し、盆踊りという地域イベントの場でそうした新作音頭をプロモーションする仕組みが成立したことが影響している。アイドル音頭の中には、そうした仕組みでヒットしたものもあった。酒井法子「のりピー音頭」(90年)もそうしたアイドル音頭のひとつで、レコード会社~盆踊り保存会のバックアップ態勢のもと、当時各地の盆踊りで踊られたものだった。

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