サイゾーpremium  > 特集  > 本・マンガ  > 「電子」vs「紙」の戦いは終了――雑誌最前線!【3】/【雑誌】はもっと好きなことをやるべき
第1特集
「電子」vs「紙」の戦いは終了――雑誌最前線!【3】

雑誌を裏から読む業界コラム【2】・「どうせ終わるんだから、好き放題やれ!」

+お気に入りに追加
雑誌を裏から読む業界コラム【2】・「どうせ終わるんだから、好き放題やれ!」の画像1
大澤聡:近畿大学准教授、批評家。『批評メディア論』(岩波書店)など。

 こちらの記事でもコメントをもらった、雑誌研究者、書店員から、今の雑誌業界について率直に語ってもらった。まずは、近畿大学の大澤聡氏から。

「雑誌の編集に携わっている人に言いたいのは、中途半端に社会適合しても仕方ないのでは? ということ。どうせダメになるのなら、いっそ自分の理想とするマニアックな雑誌を毎回実験的に作ったほうがいい。意外と売れるものが作れるかもしれませんよ。

 雑誌の歴史をひたすら研究してきた僕が言うのだから、そんなに間違った話ではないと思います。そもそも雑誌編集なんて、ずいぶんいかがわしい仕事です。もっと「遊び」の部分がたくさんあって、それ自体が「歴史」につながっていたのが雑誌文化。官僚的で、企業的で、ビジネス的な発想からは小ぢんまりしたものしか生まれ得ないでしょう。

 あと、タイアップ型の特集があまりに多すぎる。確かに、ブームに乗っかるのは企画立案も容易だし、売り上げ的にも確実です。けれども、雑誌が何かの従属物やガイドに特化してしまっては面白くない。初心に戻って雑誌発のムーブメントに期待したいですね」

 続いて某大型書店の雑誌担当者。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年11月号

「異形と異端」が 動かすニッポン論

「異形と異端」が 動かすニッポン論
    • なぜ、我々は横浜流星に惹きつけられるのか?
    • なぜ、『べらぼう』は異形の大河なのか?
    • [特別対談]立花孝志×上念司
    • 参政党は叩かれて強くなる!
    • [対談]安田淳一監督×阪元裕吾監督
    • “因習村”源流としての金田一
    • 日本一早いプロ野球順位予想

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【かとうれいこ】27年ぶりの写真集発売、レジェンドがグラビア復帰を決断した理由
    • 【Small Circle of Friends】切なさと力強さ。正しさと優しさ。アズマとサツキの絶妙ブレンド。
    • 【日爪ノブキ】仏で国家最優秀職人章に認定された男が推し進める「人類帽子計画」
    • 俳優生活11年、木竜麻生の現在地
    • 超大物アーティストが愛用する シルバージュエリーブランド──「サーティーンデザインズ」代表インタビュー

連載

    • 【マルサの女】橘 和奈
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • GROOVE SEQUENCE──NJSとLDHの親密な関係値
    • 【特別企画3】マッチングアプリが変えた恋愛の価値観
    • 乙女たちの官能界隈
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ