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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【34】

ドローンの危険性から考える「社会はなぜ“安全”なのか?」

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

今月のニュース

首相官邸に空からテロ!?
2015年4月、東京都千代田区の首相官邸屋上で、職員が無人飛行機「ドローン」を発見し警視庁に通報。ドローンに積載された容器内の土から微量の放射性セシウムが検出された。その2日後、福井県小浜市在住の40歳の男が、福井県警小浜警察署に自首、威力業務妨害容疑で逮捕された。調べに対し容疑者は、動機について「反原発を訴えるためだった」と供述している。

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『飛ばせる!撮れる! 最旬ドローン大全』(オークラ出版)

 今回は前回に引き続き、日本の司法を語る上で避けて通れない死刑というテーマについて論じる予定でした。しかしながら昨今、小型無人飛行機「ドローン」がらみの事件が相次ぎ、社会的関心が非常に高まっていることを受け、今回はその問題についての考察に紙幅を費やしたいと思います。

 誰でも簡単に遠隔操作できる安価な無人機として利用が拡大しているドローン。2015年の販売台数は全世界で40万台を超え、5年後には市場規模が10倍以上に膨れ上がる見込みだそうです。

 その陰で、ドローン関連の事件が世界各地で多発しているのは周知の通り。わが国においても、15年4月、40歳の男が反原発を訴えるため、微量の放射性セシウムを含む土を積載したドローンを首相官邸屋上に落下させたとして逮捕される事件が発生。さらに翌5月には、15歳の少年が浅草の三社祭でドローンを飛ばすと“予告”する動画をネットで配信、祭の運営を妨害したとして逮捕され、巷を騒がせました。

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