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第1特集
都内にいながら地方旅行!

銀座に密集するも補助金依存……都内に点在する"アンテナショップ"のさむ~い経営事情

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――東国原前宮崎県知事がメディアの注目を集めていた頃、新宿駅にある宮崎県のアンテナショップもまた、注目を集めた。現在、各県のアンテナショップが銀座や新宿の一等地に乱立するが、その経営の裏を覗いてみると、なかなか厳しい状況があるようだ。

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有楽町にある北海道のアンテナショップ「どさんこプラザ」のお弁当。見た目は素朴だが、しっかり具がつまっていて、なまらうんめぇ。

 その店頭でご当地フレーバーのソフトクリームを食べれば、あたかも旅行した気になれる地方自治体のアンテナショップが、気がつけば有楽町、銀座の一等地に乱立している。アンテナショップとは、企業や自治体などが自社(当該地方)の製品の紹介や消費者の反応を見るために開設する商店のことだが、地方創生ブームの昨今、消費者が多く、人の注目が集まる東京に密集しているのだ。

「1994年に沖縄県による『銀座わしたショップ』を皮切りに、99年に『北海道どさんこプラザ』がオープンし、両テントも人気を博し、その後00年代には各都道府県のアンテナショップがこぞって出店しました。最近も、12年に『TAU広島ブランドショップ』『茨城マルシェ』、13年には『食の國福井館』が銀座にオープンしました。なかでも広島県は10年に新宿にあったアンテナショップを閉店させて、銀座に移転してきたほど。JR有楽町駅前の『どさんこプラザ』の入る東京交通会館(千代田区有楽町)から『わしたショップ』のある銀座一丁目はアンテナショップの一大集積地、テーマパークのようになりつつある」(地方自治体関係者)

 銀座の一等地に続々と出店するとは、それだけ収益があるということか。確かにどのアンテナショップも地元の名産品のほか、利益率の高そうなソフトクリームなどの軽食を販売しており、売り上げを意識していることは間違いない。時代は地方創生、地方活性化がここに表れたと見ていいのだろうか?

「年間入場者数を見ると、『どさんこプラザ』『わしたショップ』と表参道にある『新潟館ネスパス』の3店が100万人を超えている。銀座にアンテナショップの出店が集中するのは、この北海道、沖縄という2大人気アンテナショップの近隣に立地することで、近隣出店による相乗効果を狙っているからです。しかし実際に儲かっているかどうかとなると、話は別でしょう」(同)

 確かに、公表された数字を見ても、「儲かっている」というレベルではない。手元にある「ネスパス」の財務諸表をみると、例えば、12(平成24)年では全体の売上高は5億809万円。アンテナショップの経営は都道府県が振興団体に委託するケースと企業に委託する場合があるのだが、「ネスパス」の場合は民間事業者・財団法人ニューにいがた振興機構に委託されている。新潟県が受け取るのはその民間事業者からの賃借料などの5526万円。だが、新潟県は施設賃借料などで、それを上回る1億9411万円を支払っており、その差額、1億3885万円は県の補助金で賄っていることになる。残りの約3億円ほどで運営しており、数字は出てないが、利益は数千万円程度と予測される。つまり、税金を投入して経営を成り立たせている。人気上位の「ネスパス」でさえ、こういった状態なのだから、そのほかも推して知るべしだろう。

 確かに、現実には儲かっていない。フジテレビの「めざましテレビ」と全国のアンテナショップがタッグを組んでオープンした『銀座めざマルシェ』(10年1月開店~11年5月8日閉店)、とその移転先の『お台場めざマルシェ』(12年4月8日閉店)の失敗を見ても明らかだろう。儲かっていないのにアンテナショップを出店する都道府県の狙いを、白鷗大学経営学部の小笠原伸教授はこう解説する。

「そもそも都道府県はアンテナショップで儲けようとは思っていないのです。もちろん各自治体側は経営の数字を見ているでしょうが、都内の一等地に店を構えて、県の外向きには観光PRとして、内向きには、地元出身者に県のカンバンを見せるということに意味がある。一時期の東国原英夫宮崎県知事による宮崎県ブームのときには、新宿にある『新宿みやざき館KONNE』でテレビ収録が行われました。このとき、テレビで紹介された宮崎県産のチキン南蛮や地鶏の炭火焼の認知度が高まって、都民に浸透していった。このように地域情報の発信基地となることもあるのです。同時に、大消費地・東京での各地方へのニーズを、地元に伝える役目を求めているのです。つまり、『アンテナショップ』の『ショップ』ではなく『アンテナ』に重点を置いているのです」

 なるほど、銀座の一等地に地元の都道府県のアンテナショップの出店があれば誇らしく感じる地元出身者も多いだろう。地元特産品のPRに観光名所を紹介する大使館的な位置付けといったところだろうか。あわよくば、地元の隠れた特産品が銀座の食通たちの舌をうならせ、人気爆発となったら……地域おこしにはもってこいではないか。

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