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第1特集
ニュースアプリの可能性とは?【1】

スマニュー大躍進でどれだけ儲かってるのか!? ニュースメディア乱立の功罪

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――グノシーやスマニューが巨額調達を実施したり、バイラルメディアも雨後のたけのこのごとく急増している。このなかから、スマホ用のニュースアプリのトップ企業になるのはどのメディアか? アプリを作り、バイアウトを目指す昨今の風潮を追いつつ、すでに雌雄決した感のあるニュースメディアを俯瞰してみよう。

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『ゼロからはじめる スマートフォン最新アプリ Android対応 2015年版』(技術評論社)

 スマートフォンの世帯普及率が50%を超え、それに合わせてか、「ニュースアプリ」の台頭が目覚ましい。ニュースアプリとは、「キュレーションメディア」などとも呼ばれ、新聞社や、ウェブメディアが配信する膨大なネット上の記事を、独自のアルゴリズムで選別して自メディア上に取得、読者に届けるサービスである。

 2012年頃から新規参入が相次いだが、ここにきて、役者は出揃った感がある。総合ニュースアプリの代表格は大きく4社。14年10月時点でのDL数600万超えをうたう「グノシー」や、DL数500万超えの「スマートニュース」。グルメや旅行などライフスタイル系の情報に特化した「Antenna(アンテナ)」、メッセージアプリ「LINE」による「LINE NEWS」という布陣だ。さらに、経済情報に特化した「NewsPicks(ニューズピックス)」など、専門性を持ったアプリも存在感を増しつつある。

 このほかにも、オタク情報に特化したDeNA運営の「ハッカドール」や、クリエイティブ系情報に特化した「Siori」などが今年に入って誕生したが、すでに出遅れた感もある。

投資を受けてもCMを打つだけ!?

 最近では、至るところで「○百万ダウンロード!」と景気のいい数字を誇ったCMや広告が散見されるようになり、ニュースアプリをめぐる状況は、新たなフェーズに入ったことを実感させられる。そして、この流れと合わせて語られるのが、企業による投資の動きである。そもそも、派手な宣伝をできるのも潤沢な資金が入っての話だ。

 グノシーがKDDIと業務提携をし、20億円の出資を得たり、スマートニュースがグリー、ミクシィなどの国内企業から、総額36億円もの資金を調達。アンテナを運営する「グライダーアソシエイツ」も、マーケティングビジネスカンパニー「マクロミル」から15億円の出資を受けている。

 ここにきて投資が活性化している理由は、もちろん将来性を見込んでのことだろうが、その流れは、昨年頃から一般的になってきた「PCからスマホへ」というパラダイムシフトに端を発する。IT企業へ投資するA氏の話。

「スマホにうまく移行できなかったネットメディア企業があったからこそ、新興の企業が新たに参入する余地があったと見ています。スマニューらの勝因は、スマホの増加に一早く反応し、それに適したユーザーインターフェイスを作ったことです。それはニュースメディアに限らず、PCで『ヤフオク!』の独壇場だったオークションも、『メルカリ』(14年7月時点で400万DL突破)といったアプリが、サービスをスマホに最適化させ一気にポジションを取った。こうしたサービスの入れ替わりやIT技術の発展を見ていた企業が、次の投資先に足ると判断したのが、ニュースアプリの『拡散させる技術』だったのだと思います」

 また、某ニュースサイトの編集者B氏は、ウェブでは最強だった「Yahoo!ニュース」の「乗り遅れ」を指摘する。

「Yahoo!がスマホアプリ事業にもっと本気で取り組んでいたら、グノシーなどがこれほど台頭してくることはなかったはず。さらには、最低限のビジネスマナーすらも守らないBUZZNEWSなどのバイラルメディア(上段参照)の乱立によって、元のパイもグチャグチャになってしまったんです」

 さらにB氏は、本来は出版社がそうしたアプリサービスを積極的に展開するべきだったのではないか、とも。

「多数の雑誌(≒コンテンツ)を持つ講談社や小学館などの出版社なら、10億円くらい捻出して、エンジニアを採用するという投資も可能だったはず。そうすれば今頃、自社のコンテンツをアプリという形でもっと展開できていたんです」

 いずれにせよ、毎年のように新たなトレンドが出現しては消えていくIT業界のなかで、動きの鈍い大企業がぐずぐずしている間に、新たなサービスがその座を奪ったという状況が見て取れる。

ニュースメディアは稼げない!?

 今はまだ目新しいニュースアプリだが、今後、情報のプラットフォームとして定着し、かつての「グリーやDeNAに続くITビッグウェーブ」にまで成長する可能性はあるのだろうか?

 ニュースアプリの収益は、通常のウェブメディアと同様、広告収入による……のだが、現状では広告単価がそこまで高くは見込めず、安定した収益化に至っていない。そこで、各社とも新たな収益源の開発にいそしんでいるようだ。

「革新的なものとしてキュレーションメディアをとらえる向きもありますが、結局はニュースの”土管”。つまり仲介業者にすぎない。ウェブ広告では、一つのメディアが稼げる上限もだいたい見える。今後、課金モデルが成功すれば話は別ですが、目先とプレイヤーが変わっただけ、という印象です」(IT系ライター)

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