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第1特集
「飛ぶ」「飛ばない」の問題でない!統一球問題の深層【3】

ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』でも存在感を発揮するミズノの逞しさ

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――本文中ではプロ野球界とスポーツメーカーの関係を見てきたが、ミズノ社の力が及んでいるのは「教育の一環」たる高校野球はじめ、アマ球界も同様である。学生野球憲章に抵触しようとも宣伝を怠らない同社の努力は、テレビドラマにまで及んでいた!

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ミズノのロゴがくっきり映される『ルーズヴェルト・ゲーム』。なおドラマの鍵を握るピッチャー・沖原(画像下)を演じている役者は、あの工藤公康(元西武ほか)の長男・工藤阿須加だ。

 こちらの記事の中で本誌13年11月号での愛甲猛氏のインタビューを引用したが、その中にもう1カ所気になるところがあった。一連の問題が発覚した際の選手側のリアクションについての、「俺が聞いたところでは、事前に知ってた選手もかなりいたって話だし、ミズノとの契約がある選手の中には義理立てして黙ってた奴もいたと思う」というコメントだ。

 さらに、こちらの記事に登場いただいたスポーツメーカー社員による「高校や大学の注目の大会になると、選手の用具がミズノ社製に替わっている」というコメントも見逃せない。野球に限らず、プロスポーツ選手が使用する用具は、そのほととんどがスポンサー契約を結んでいるメーカーからの提供。用具を提供してもらう代わりに、歩く広告塔になってもらうわけだ。高校球児のみならず、小中学生も含めて、憧れの存在が使っているのであれば、自分も使いたくなるのは当然である。

 それぐらい、注目選手が使用することは、メーカーにとっても絶大な広告効果があるといえよう。実際、野球経験者である筆者も、学生の頃はウィルソンの池山隆寛(ヤクルト)モデルを使っていたし、大人になった今でもローリングスの鈴木尚広(巨人)モデルを使っていて、自分でもなかなかイケてると思っている。

 問題はアマチュアスポーツである。学生野球憲章では、メーカーから選手への用具提供は一切禁止されている。ところが、甲子園大会などを見ているとよくわかるのだが、強豪校の特に投手が使用しているグローブは、新品であることが多い。これはほぼメーカー提供のものと見ていいだろう。野球経験者にはわかっていただけると思うが、人気球団や強豪校のさらに注目選手がどのメーカーを使用しているかは、試合を観ていてもすごく注目してしまう。

 プロならいざ知らず、アマチュア、特に高校生がメーカーから「ぜひ使ってください」と用具を提供されたら、断ることができるだろうか。用具代も馬鹿にならない中、受け取ってしまうことが容易に想像できるし、仮に筆者がその立場だったら、断ることはできない。むしろ得意げにメーカー提供のグローブを使っていたことだろう。前出のスポーツメーカー社員も「本当は、どこであれひとつのメーカーの用具を買ってもらって、それをずっと使い続けてもらうのが理想なんですけど……ミズノさんは、そうは考えていないみたいで」と嘆く。

 本来、革製のグローブはある程度使い込んで柔らかくしておかないと、打球の処理が難しいものである。まして、甲子園という大舞台では、それまで使い慣れた自前のグローブを使うのが最もよいはずだ。しかし、ミズノ社ほどの大手となると、宣伝活動やシェア争いの面でも、そうヌルいことは言っていられないようだ。

 今クールのドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』(TBS)は社会人野球が物語のひとつの軸を担っているが、この野球シーンのユニフォームから用具までミズノ社製のものだった(ちなみに、同作の野球シーンもそうであるように、ドラマなどではユニフォームの右胸のあたりにブランドロゴがはっきりわかるようにつけられているが、本来は野球規則で禁じられているため、そうしたユニフォームはあり得ない)。

 しかもグローブを手に取り「『グローバルエリート(ミズノの野球ブランド)か?』とさりげなくブランドをアピールする場面もあり、観ていてなかなか野球好きの心をくすぐるなぁと思ったものである(と、ちくちく揶揄をするようだが、ミズノ社製品の品質は文句のつけようがないし、筆者もミズノ社の『ビューリーグ』シリーズのグローブとスパイクを使っていたこともある)。

 それだけ、ミズノ社は用具の宣伝に力を入れているということだろう。学生野球憲章に抵触するという問題はさておき、自社の用具を宣伝するのは企業努力ではある。なお、筆者が所属する草野球チームも最近とある大会の決勝まで勝ち進んでおり、ミズノ社のグローブを使用して宣伝に協力することはやぶさかではない。ご提供いただければ、ユーティリティプレイヤーとして貢献を約束するところである。

(取材・文/高橋ダイスケ)

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