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参院選でねじれ国会解消なるか?

薬ネット解禁は甘利大臣の力業!? 選挙直前官邸秘レポ

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参院選でねじれ国会解消なるか?

2012年12月26日に発足した安倍晋三内閣。株価上昇機運は弱干弱まりつつも、基本的には追い風の中で7月の参院選を迎えられそうだ。参院選直前の官邸内外の動きはいかに……!?

【座談会参加者】
A:全国紙経済部若手記者 
B:全国紙政治部中堅記者
C:全国紙経済部デスク
D:経済誌中堅記者

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『池上彰の政治のニュースが面白いほどわかる本 』(中経出版)

A 安倍晋三政権の発足から半年、官邸に変化はありますか?

B とりあえず、官邸記者クラブで経済部の記者を見ることが増えたっすね。安倍政権は経済政策を重視しているから、6月12日に安倍内閣としての「成長戦略」を取りまとめた産業競争力会議とか、岡素之・住友商事相談役が議長をやってる規制改革会議とか、経済関係の会議が官邸で頻繁に開かれていて、経済部の記者がしょっちゅう取材に来てる。政治部は閣僚人事や派閥抗争といった政局取材が中心だけど、安倍政権は政権基盤がしっかりしているから党内抗争がまったくなく、政治記者の仕事は開店休業状態(苦笑)。

C 確かに政治部のやつらは政策に興味がないよなぁ。安倍政権になってから政治部の記者だけでは手に負えない話題が多くて、経済部の記者を官邸に常駐させる新聞社が増えた。経済部は忙しくてたまらねえよ。

D それはそうと、安倍政権の経済運営で気になるのはやはり株価の動き【1】。日経平均株価は、野田佳彦前首相が衆院解散を表明した12年11月14日に8664円だったのが、5月23日には1万5942円までつけましたが、そこから下落に向かって6月末には1万3000円前後にまで落ち込みました。アメリカの株式市場の下落や中国経済の悪化懸念という外部要因があるけど、参院選前の安倍政権にとっては痛いですね。

A 知り合いの為替ディーラーが「市場は快感にすぐ慣れる年増女と同じ」なんてヒドイこと言ってましたけど、最初は新味のあったアベノミクスにも、欲求不満を感じ始めたのがこの時期でしたね。成長戦略にしても、6月5日に素案を発表した際に市場から「インパクト不足」と烙印を押されてしまったから、6月14日の閣議決定までに、薬のインターネット販売解禁への異論を押し切りました。

B 成長戦略の素案を発表しても株価が意に反して上がらなかったもんだから、成長戦略を仕切っている甘利明・経済再生担当大臣が相当焦ったらしいっすね。薬のネット販売に抵抗していた厚生労働省に「とにかくやれ!」と激しい剣幕だったとか。

MEMO『選挙直前』
7月21日に投開票される第23回参議院議員通常選挙を目前に控え、官邸内外はどこもかしこも選挙一色だ。

C でも安倍政権も、最強官庁・財務省には及び腰のようだな。成長戦略でも市場や企業が最も強く求めていた法人税減税には触れず、最終案でも設備投資や研究開発の減税拡充などでお茶を濁した。これは税収減を嫌う財務省が最後まで首を縦に振らなかったからで、官邸も財務省と真っ向から戦うのはやめたんだろう。

A それでも読売新聞なんかは、6月13日付の朝刊1面で「成長戦略 投資減税を追加」と大きな見出しを付け、記事も実質的な法人減税をするような書きっぷりでした。

C 読売さんの安倍政権シフト【2】は露骨だよ。安倍首相が6月5日に成長戦略の第3弾を発表した際にも、1面トップで「民間活力の爆発」なんていう見出しを掲げていて、客観報道を是とする日本の新聞とは思えなかったよ(笑)。安倍政権の最大のサポーターと思われている産経新聞なんかは、この成長戦略第3弾について1面で「乏しい新味『4の矢』催促」なんて見出しを付けていて、むしろ読売より距離感を感じるよな。産経は安倍政権となんかあったのかと勘ぐりたくなるよ(笑)。

村木事務次官人事に厚労官僚は反発!?

C それはそうと参院選後、安倍政権の経済運営はどうなるんだ?

A とりあえず成長戦略を進めていくために税制改正論議を前倒しで始めると宣言していたり、話題になりそうな政策の弾を込める準備をしています。官僚たちは「参院選までに休みを取らないと、夏休みがなくなる」なんて焦っていますよ。

B 産業競争力会議もまた議論を再開させる予定ですが、民間議員のメンバーを入れ替えるかどうか検討しているみたいっすね。というのも、ご存じ三木谷浩史・楽天会長兼社長が「事務局に民間人を入れろ」とか「薬のネット販売解禁もできないようなら辞任する」といった発言で政府を引っかき回していて、自民党サイドからは「いつから三木谷のポチになったんだ!」と批判が激しくなる一方らしいっす。

C そうなると、三木谷を強力にプッシュしていて、麻生太郎・副総理兼財務大臣には嫌われてる竹中平蔵・慶応大学教授はどうなるんだ?

B 竹中さんは、三木谷氏の陰にうまく隠れて批判を受けないようにしていますね。国家戦略特区構想にからんで4月に行った会見で記者から「競争力会議への不満は?」と問われても、「今は前に向かって動いているので評価は避けたい」と模範解答でかわしていました。

D ところで、官僚たちの安倍政権への評価はどうなんですか?

B 6月に決まった幹部人事で官邸主導の強引な人事が行われたことで、かなり不満が高まってきてる。厚生労働省では、冤罪事件で有名な村木厚子社会・援護局長が事務次官に昇格して話題を呼んだけど、最初は大谷泰夫・厚生労働審議官が本命とされていたのに、女性活用を打ち出す官邸サイドが覆したとみられてる。

A 経産省でも、朝日新聞が高原一郎・資源エネルギー庁長官の事務次官昇格を報じましたが、結局は立岡恒良・官房長が昇格することになりました。朝日は完全な誤報でしたが、検討段階で官邸サイドが、原発を推進する資源エネルギー庁長官がトップになることで反原発派の反発が強まることを避けるため、早い段階で候補者リストから高原氏の名前を外したみたいです。

C 参院選をうまく乗り越えても、安倍政権には株価下落と官僚の反抗という難題が待ち受けていそうだな。
(構成/編集部)

【1】株価の動き
安倍政権は7月の参院選に勝利してねじれ国会に終止符を打つことを至上命題としており、そのために一貫して株価を上げるための政策を投入し続けてきた。というのも、無党派層は景気が良ければ政権与党を支持する傾向があるからだ。実際、報道各社の世論調査を見ても、株価がピークだった5月の調査以降は徐々に内閣支持率が下がってきている。参院選直前に成長戦略を仕上げ、そこで株価をピークに持っていって参院選に突入するという流れが安倍政権にとってのベストシナリオであったろうが……。

【2】安倍政権シフト
官邸サイドは、安倍政権に友好的な産経や読売よりも、朝日新聞を重視している模様。2月には安倍首相が朝日の木村伊量社長と会食、6月にも曽我豪政治部長からの単独インタビューを受けたりと、蜜月そのものなのだ。というのも、菅義偉官房長官が06年からの第1次安倍内閣は朝日新聞によるネガティブキャンペーンで潰されたと気にしているからだとか。実際、官僚が菅官房長官に政策を提案しても、「これだと朝日新聞に悪く書かれるだろ」と懸念を示すことが多いという。

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