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佐々木俊尚の「ITインサイド・レポート」 第59回

グーグルリーダーサービス終了が象徴する容赦なき支配企業になったグーグルの現在

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進化の歩みを止めないIT業界。日々新しい情報が世間を賑わしてはいても、そのニュースの裏にある真の状況まで見通すのは、なかなか難しいものである――。業界を知り尽くしたジャーナリストの目から、最先端IT事情を深読み・裏読み!

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愛用してきたグーグルリーダーの終了には惜しむ声が多数だ。

 3月14日、RSSリーダーであるグーグルリーダーの今夏でのサービス終了が発表された。ブログ全盛期に台頭し、今でも一部の情報ジャンキーの間では重宝されてきた同サービスが終焉するのは、ソーシャルメディアの時代には致し方のないことでもある。しかしこのニュースの裏側には、グーグルという企業体の現在の兆候も見て取れるのだ──。

グーグルリーダー終了のお知らせに、インターネットユーザーからは呪いと怒りの声が上がっている。

 リーダーのプロジェクトマネージャーだった人が、質問回答サイトのQuora(クオラ)で終了の裏事情について明かしている。リーダーの開発チームは以前からどんどん人を減らされ、それらの人員はソーシャルメディア開発チームに移されていたという。2010年にはすでに終了の方向が決まっていたとか。

「社内の技術者の大半がグーグルプラスに参加することを拒否していたのに。リーダーの開発スタッフがソーシャルのチームに移されていたのは、皮肉にも社内でリーダーのチームが一番ソーシャルのことをわかっていたからだ。トップダウンで決められたほかのソーシャルアプリと違って、リーダーのチームはユーザーとの直のやりとりでソーシャル的なことをよく理解できていたからね」

 終了の理由は表向きは「利用が減っているから」だが、本当の目的はユーザーをグーグル独自のソーシャルメディアへと完全に巻き込んでいきたいということなのだろう。

 グーグルリーダーは、ウェブ上で網羅的に情報を収集するために広く使われていたツールだ。通常、ブログやニュースサイトはRSSというデータを外部に提供している。このRSSには新着記事リストやそれぞれの要約・全文などが含まれていて、RSSを受信すれば、そのサイトが今日どんな新着記事を提供したのかを知ることができるというわけだ。

 さまざまなサイトのRSSを巡回してまとめて取得し、一覧にして見せてくれるのが「RSSリーダー」とか「フィードリーダー」と呼ばれるアプリケーション。そしてグーグルリーダーは、この代表格だった。

 歴史を振り返ってみると、RSSリーダーはブログが普及していった時期に重ね合わせて広まった情報収集の中心的手段だった。

「ブログ以前」の時代には、情報の収集先は限られたニュースサイトや個人のホームページで、ただひたすらウェブブラウザのブックマークにサイトを登録し、巡回して見て回るのが一般的なウェブの閲覧手段だったように記憶している。しかしブログによって情報収集先は一気に広がり、そのやり方はだんだんと難しくなった。一方で大手のブログサービスは、それまでの個人ホームページと違ってRSSを配信していて、これがRSSリーダーを普及させる原動力になった。RSSを使えば、数多くある個人のブログも漏らさず新しい記事を読んで回ることができる。

 当初はさまざまなRSSリーダーが乱立していたが、05年にベータ版としてリリースされたグーグルリーダーは圧倒的に使いやすかった。このためRSSリーダー自体がグーグルの力によって普及するのと共に、グーグルリーダーはこの分野での独占支配力を手にしたのだった。

 しかしグーグルは、リーダーを今年7月1日に終了させることにした。

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