連載
キングオブコメディ・高橋健一とアイドルライター・小明の「卑屈の国の格言録」第6回

浅田次郎の名言は、自分を正当化するためのもの!? 卑屈な2人が名言にけちを付ける!

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どんなに立派なお言葉も、決して素直に受け取らない卑屈家が2人。そのこじれた思考に、偉人たちの格言を浴びせてみると……?

今月の格言

「仕事は一生懸命やるものだ。だが、人生それだけでは寂しい。休みのときは何もかも忘れて、ブチ切れて、人格が変わるぐらいの道楽をしないといけない。」

浅田次郎(あさだ・じろう)
1951年、東京都生まれ。小説家。自衛隊、会社員などを経て91年にデビュー。『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』で直木賞を受賞。

 今回は『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞を受賞した大作家、浅田次郎先生の「仕事は一生懸命やるものだ。だが、人生それだけでは寂しい。休みのときは何もかも忘れて、ブチ切れて、人格が変わるぐらいの道楽をしないといけない」という、長い格言ですよ! 時代背景も現代ですし、違和感なく心に届くんじゃないでしょうか?

 何もかも忘れてブチ切れるって、迷惑な話ですよね。戻ってこれるんでしょうか?

 あー……どっちかって言ったら、その後始末をさせられる側の人間ですもんね。人格が変わるくらいの道楽って、何か持ってます?

 まぁ、そこまでの道楽ではなくても、趣味くらいはありますよ。小明ちゃんの趣味ってなんですか?

 外に出るものだと、ライブに行ったりはしますよ。筋肉少女帯とか、しょこたんとかですけど。

 大騒ぎするの?

 一応、騒ぎますよ! ただ、「あんまり盛り上がると後ろの人が見えないんじゃないか」とか、「後ろから見てたけどコールがすごいズレてたって笑われるんじゃないか」とも思って……。

 何もかも忘れて、肘とか当たったあげく、後になって「小明に肘ぶつけられて、マジ感じ悪かった」とか言われたら大変ですもんね。ライブだと、あちらもタレントさん、こっちもタレントさんだから難しいですよね。同じ業種だし。

 やっぱり大人しくしてるほうが多いかもしれないです。

 中途半端に知ってる人がいると、はしゃぎにくかったりするしね。だから、一切かかわらなそうなジャンルのところに行けばいいんですよ。例えば、釣りとか潮干狩りなら比較的、人とかかわらないから、そういうのがいいんじゃないですか?

 どっちもパーケンさんのライフワークじゃないですか! ちなみに、ちょっとわからないんですけど、潮干狩りって、ひとりで行くんですか? ひとりで、ずっと貝を?

 やってるとだんだん無になってくるんですよ。泥水の中に浸かって「これは貝か、貝じゃなくて似た石か」「生きている貝か、それとも近い重さの泥の詰まった貝殻か」を手探りで判断して、それを泥水の中から持ち上げた時の「ほーらそうだったろ? やっぱ生きたアサリだったろ!」っていう、細かい2択クイズをずっとやってる感じ。ギャンブルもそうでしょ? 「この店のこの台でこの時間に出た」とか「この馬の状態を当てた」ってことが楽しいわけだから、根本的には一緒だと思うんだよね。

 なら、ギャンブルよりは潮干狩りのほうが健康的だし、お金もかからないから良いですね! ギャンブルが趣味とか、やっぱりちょっと不安ですもんね!パーケンさんのお父さんとか!

 ……きっつい肉親の話ですね? 人格が変わるほどの道楽って言っても、やっぱり何でもいいわけじゃないよね。ある程度自分に合うものとか、ある程度自分に向いてるものじゃないとね。俺も今まで一個も貝が採れてなかったら、やってないもの。

 あー、才能があったんでしょうね、貝を拾う才能。

 なんか感じ悪いな!

 あと、浅田さんがどんな趣味だったのか参考にしたいですね。人格が変わるくらいっていうから……女装とかですか?

 それは「人格が変わる」に引きずられすぎてない?

編集 (検索して)ギャンブル。

高・小 えー……。

 なんでだろう、ちょっとガッカリですね。

 偏見ですけど、この名言、「こうやって人格が変わるようなことに没頭しているから、仕事に戻ったときに打ち込めるんだ」って、自分のギャンブル好きを肯定するために、おっしゃったんじゃないんですかね……? 私は個人的に父親がギャンブルで破産しかけているから、父親に「人格が変わるぐらいギャンブルに打ち込まないとダメだ。仕事だけだと寂しい!」なんて言われたら、ぶん殴りますよ。何もかも忘れて、人格が変わるぐらいギャンブルをやって、戻ってこられなくなった家庭にいる身としては、この格言はもう、素直に認められるわけがないよね。認められないよ。

 えーと、借金、早く返せるといいですね……!
(構成/小明)

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あかり
1985年生まれ。02年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞。サイゾーよりCD&着うた「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。サイゾーテレビ『小明の副作用』出演中。今年は夏カゼを2度患った。


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たかはし・けんいち
1971年生まれ。お笑いコンビ・キングオブコメディとして『キングオブコント2010』優勝。愛称はパーケン。サイゾーテレビ『ニコニコキングオブコメディ』出演中。同公式メルマガで相方・今野と共にエッセイも執筆中。


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