サイゾーpremium  > 特集2  > 台湾、韓国、キューバ、イタリア........

──日本のドラフト制度は、巨人の一党独裁のもとに振り回されて異様な変遷を遂げてきたが、世界のプロ野球リーグでは果たしてどうなのか?海外4リーグのドラフト含む球界事情を、その現場を知る人々に聞いてみたところ、やはりそれぞれに問題は存在しているようで……。

1201_2toku_az02.jpg
「韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑」(小学館スクウェア)。

 特集ではここまで、日本プロ野球のドラフト制度を取り巻く問題点やパワーゲームの内幕を見てきたが、海外のプロリーグでは、そうした問題はないのだろうか? オリンピック種目から外されてしまったことなどからマイナースポーツといわれることもあるが、アメリカや中米、東アジアはもとより、中東イスラエル(2007年の1年のみ開催)からヨーロッパまで、世界各国にプロリーグは存在する。ここでは、海外リーグのドラフト事情を中心に見ていこう。

 まずメジャーリーグ(以下、MLB)については、よく知られている通り「完全ウェーバー方式」と呼ばれる制度を採用している。シーズン終了時のチーム順位に従って、最下位のチームから順に選手を指名するやり方だ。指名はそのまま独占交渉権の獲得であり、日本のように1位指名であっても他チームと競合したら抽選に、といった事態は発生しない。これは、下位チームから順に獲りたい選手を獲ることで、戦力の均衡を図るためである。日本のドラフト制度が抱える問題点を解決するために、完全ウェーバー方式の導入を求める球界関係者や野球評論家もいる。スカウトによる家族や関係者への接触・接待や、球団によるバラマキが入り込む余地も少ないことが、その主な理由である。完全ウェーバー方式を導入するとなると、FA取得年数を現状よりも短縮する必要が出てくるなど、これひとつですべてが解決するわけではないが、現状、世界的に見ればこの方式を採用しているプロリーグがほとんどである。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2025年8月号

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 小栗有以(AKB48・アイドル)──多忙な日々の中で心と身体の調和を保つ秘訣とは
    • 水道橋博士(お笑い芸人)──「うつ病」発症は国会の重責が原因ではなかった?
    • 3li¥en(アーティスト)──キャリアは浅くとも人間味がディープすぎるフライガール

連載

    • 【マルサの女】つんこ
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【井川意高】天上夜想曲
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【最終回】【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【Yoru】艶やかに躍動する 気韻生動の肉体美
    • 【韮原祐介】匠たちの育成哲学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【ドクター苫米地】僕たちは洗脳されてるんですか?
    • 【アンジェラ芽衣×梅本剛史】身長172センチの女性モデルが “あえて”ツナギを着てみた!
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ