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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第60回

貧困、会社人間、国家の罠......映画でわかるアメリカの暗部【中編】

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【前編はこちら】

『フェア・ゲーム』に見るブッシュ政権の陰謀

神保 続いて『フェア・ゲーム』です。フェア・プレーという言葉は日本でも馴染みがありますが、フェア・ゲームはそれとは意味が異なり、「標的にされた獲物」という理解でいいのでしょうか?

町山 例えば「鹿がフェア・ゲームになった」と言えば、禁猟期間が明けて「撃っていい」状態になった、ということです。

 この作品は、ブッシュ政権下で現実に起きた「プレイム事件」を映画化したものです。ヴァレリー・プレイムという実在の女性CIA工作員が、「イラクのフセインが、核兵器の材料を買っている」という情報の真偽を確かめる捜査を行うことになったが、否定的な情報しか出てこなかった。それをCIAとしてチェイニー副大統領に報告したものの、ブッシュ大統領は、一般教書演説で、逆に「CIAの調査によると、イラクは核兵器を開発している」と語ってしまう。ブッシュ政権は、イラク戦争を起こすために、CIAの情報を無視して暴走したんです。

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「異形と異端」が 動かすニッポン論

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