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中国・蛇頭組織に代わり韓国ブローカーが暗躍

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事情も手法も変わってきてるらしいです。

 これまで日本の報道で注目を集めてきたのは、中国人の密航と、それを手助けする犯罪集団「蛇頭(スネークヘッド)」だった。蛇頭とは、中国から日本やアメリカなどの外国への密入国をビジネスとして行う密航請負組織のこと。世界中にネットワークを張り巡らせ、密航者の勧誘や搬送、不法就労のあっせんなどを行っている。裏社会に巣くう"ブローカー"として、日本の裏社会とのつながりが時におどろおどろしく語られ、密航とイコールで結ばれがちなこの集団だが、蛇頭の顧客は、あくまで中国人であり、すべての密航事件が蛇頭と関係があるわけではない。一方で、韓国からの密入国者数もすでに無視できないところにまできているという。

「07年の外国人個人識別情報認証システム導入により、蛇頭の様な大組織は、少し動きを押さえています。その代わりに、半分素人に近い、韓国の小規模ブローカーが、船舶を使った大胆な密航を展開しているのです」(前出A氏)

 総務省の発表によると、昨年度の調査では、日本国内に不法残留している外国人は約9万人と推測されている。そのうち中国人は約1万3000人、韓国人は約2万1000人だという。だが、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)違反で実際に摘発されたのは、3万2000人に過ぎない。内訳は、中国が約9500人とトップ、次いでフィリピンの約6300人、韓国は約3900人となっている。これらの数字だけを見ると、密入国と日本残留に成功し、違法に滞在している割合では、中国より韓国のほうが高い。

 この数値をもとに密航事件の現状やその対処法、各省庁との連携などについて、警視庁や海上保安庁、東京入国管理局など、関係各所に取材を申し込んでみたところ、「ホームページ(もしくは官報など)で発表されている以上のことは、答えられません」と言われるにとどまった。この数字に対して前出のA氏は、別の見方を提示する。

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