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第1特集
天皇・皇后両陛下は売れっ子作家!? 華麗なる"皇族本"の世界【2】

担当編集者かく語りき「ヒゲの殿下は、締め切りをきちんとお守りになりました」

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──今年3月に発行された、三笠宮寬仁親王の著作『皇族の「公」と「私」』(PHP研究所)の担当編集を務めた、同社第三出版局・吉野隆雄局長に話を聞いた。

 本書は、月刊誌「ヴォイス」に連載された、工藤美代子先生による寬仁親王殿下へのインタビューに、前書きなどをご加筆いただいた上で書籍化したものです。初版は1万部刷りましたが、おかげさまで、もうじき重版の検討に入れそうな勢いです。

 工藤先生から連載の打診があったときは、社長判断で即決でした。ただ、弊社は、皇后陛下のお写真集『皇后陛下 美智子さま』(94年)をお出ししたことはありましたが、皇族方のご発言やご原稿を扱った経験はこれまでありませんでした。当然、普通の雑誌の連載や書籍の編集とどこが違うかなど、まったく予想がつきませんので、とにかく失礼のないよう丁寧に編集し、ご指示のままに精いっぱい努めようと心がけました。

 書籍化に当たっては、私がたびたび参邸して進めたのですが、終わってみれば、通常の書籍化と特に違いはなかったですね。流通や印税などに関しても、普通の本と同様の扱いです。殿下は、「こうせよ」「それはやめよ」と、はっきりと思し召しを口にされるので、こちらが余計なことを考える必要はなく、むしろ非常にやりやすかったです。

 また、殿下のお話ぶりそのものの魅力を伝えるのが本書の狙いですから、お言葉遣いなどに編集側で手を入れることはありませんでしたが、やはり商売ですので、編集面で必要なことは申し上げました。すると殿下は、気さくに「なるほど、そうか」と、すぐに代案をお示しくださいましたね。

 最も驚いたのは、殿下が、どんなことも決してゆるがせになさらないことです。こちらが「何枚でも結構です」と前書きのご執筆をお願いすれば、400字詰めで40枚を超えるご原稿が届きましたし、3度にわたりゲラのご高閲をお願いすれば、そのつど、写真のキャプションに至るまで全行しっかりとお読みになる。また、締め切りも必ずお守りになる。その点がとても印象的でした。

 ただし、これらのエピソードは、あくまでマスコミ対応にお慣れで、ああいうお人柄の殿下ならではのものであって、ほかの皇族方がどのように本をお出しになっているのかは、想像すらできませんね。
(談)

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『皇族の「公」と「私」』
著/三笠宮寬仁親王・工藤美代子 発行/PHP研究所 価格/1575円


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